ビットコインFXでも高い成功率を誇るハーモニックパターンの連載も早三回目ですが、今回はバタフライとクラブパターンについて解説していきます。
基本ハーモニックパターンの記事はこちら
この記事ではハーモニックパターンの典型である、バタフライパターン、クラブパターンの判別方法について書いていきます。
出現頻度はそこまで多くありませんが、成立した時の勝率はなんと9割になるとの報告もあるハーモニックパターンを是非会得しましょう!
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バタフライパターンとは?
ハーモニックパターンで有名な典型型の一つである、バタフライパターンについて紹介します。
チャート上のポイントとなるトップとボトムを結んだラインが、Bを中心に蝶(バタフライ)の羽のように見えることから、バタフライ・パターンと言われます。
バタフライパターンは、前回解説したガートレーパターンやバットパターンと異なり、D点がX点を超えて伸びてくる、いわゆるエクステンションパターンの一つです。ガートレイやバットパターンが失敗した場合にこのパターンになる可能性があります。
そのため、他のパターンよりもさらに逆張りトレードになるので、失敗した場合の損切り値幅は最も多くなってしまいます。その代り当たった時の利益は大きいものになります。
バタフライパターンでトレードを行う際には、トレンドラインやオシレーター指標など他の根拠も確認しておきたいところです。
バタフライパターンの成立条件
B点がXAの0.786リトレースメント(Aに対する戻しの割合ABが78.6%固定)であること。まずこれが必須条件になります。
※ガートレーの場合はこのBの数値が61.8%固定です。
バタフライパターンの主な成立条件は以下になります。
- B点はXAの0.786リトレースメント(※)
- C点はA点を超えないこと
- D点はX点を超えること
- BCプロジェクションは最低限1.618(1.618/2.0/2.24)
- AB=CDまたはAlternate AB=CDパターンを内包(1.2/1.272/1.618AB=CD)
真ん中のB点を意識して
- ガートレー 61.8%
- バタフライ 76.8%
と呪文のように覚えましょう。
バタフライパターンのエントリーと損切り利食いポイント
バタフライパターンを使った具体的なトレード方法をみてみます。
バタフライパターン成立を確認する
XABCDの各線の形成するフィボナッチ比率から、バタフライパターン成立の条件を満たしていることを確認します。
フィボナッチやABCD描画ツールをTradingViewで使う
フィボナッチやハーモニックパターンXABCDの描画はチャートツール(TradingView)を使っていきましょう。
「Cypher Pattern」や「三角パターン」「Three Drives Pattern」を使うことでチャートに以下のような図を描画することもできるので、パターンの発見に役立ちます。
これらツールを使ってPRZ (Potential Reversal Zone) を算出します。バタフライパターンを見つけるには、B点がXAの0.786リトレースメント(Aに対する戻しの割合ABが78.6%固定)、D点が1.272XAを満たすことを起点として考えます。
バタフライパターンのエントリーポイント
実際の価格の動きとしては、このPRZを2回下に抜けていますが、その直後に長い下ヒゲを残して買いが入り上昇しており、プライスアクションから考えてもサポートとして充分機能していると判断できますね。
他のインジケータやトレンドラインのサポートとの重なり、上位足のトレンドに順張りかをみて、反転濃厚とみたらエントリーしましょう。
バタフライパターンの損切りポイント
D点が1.272XAをゆうに超えてしまった場合が損切りポイントとなりますが、そのままクラブパターンの可能性を見て判断します。
バタフライパターンの利食いポイント
利食いは他のハーモニックパターンと同様の考え方で、利食いは二回に分けて行うことが推奨されています。
第一ターゲットは、D点が確定した後に、0.382AD近辺に設定します。第二ターゲットは0.618AD近辺に設定します。いずれも、フィボナッチリトレースメントポイントの近辺のサポレジを狙いに行くと機能しやすいです。
0.618ADよりも戻した箇所は利食いと新規売りが入りやすいポイントなので、上位足のトレンドラインにぶつかる前に利食いすることが望ましいです。
クラブパターンとは?
クラブパターンはカニの形に似ているからクラブ(蟹)パターンと呼びます。
値動きの大きなパターンです。
ハーモニックパターンの生みの親がカーニーさんなので、ウケを狙ったネーミングなのでしょうか?ってそんなことありませんね。
クラブパターンの成立条件
- B点は38.2-61.8 XAリトレースメント(XAに対する38.2-61.8%戻し)
- C点は38.2-88.6 (理想61.8) ABリトレースメント
- ※D点は161.8 XAエクステンション(XAに対し円形で戻し161.8%)
- D点は224-361.8 ABエクステンション
ディープクラブパターンというのもあります
以下がディープクラブパターンと呼ばれるパターンです。XBの比率が固定となっていますね。
クラブパターンのエントリーと利確損切りポイント
B点がXAに対する38.2-61.8%戻し、という条件は、値の幅が広いのでそこまで重要ではありません。
C点は38.2-88.6 (理想61.8) ABリトレースメントとなっていますが、実はガートレーでもバットでもバタフライでも共通なので意識して覚える必要はありません。
クラブパターンで最も重要なのは、フィボナッチが固定されているD点は161.8%のXAエクステンション(XAの長さに対して円形の波動で戻しが161.8%)になっているところですね。
クラブパターンのエントリーポイント
D点がエントリーポイントとなるわけですが、XAの161.8%のフィボナッチの地点までくるのを待つか、決め打ちすることになります。
BitMEXのチャートツールでも使える「フィボナッチ円」を使って161.8%のラインを表示するとクラブパターンのD点は特定しやすくなりますよ。
ガートレーパターンやバタフライを否定してきているので、仮想D点が他のサポートラインやオシレーター指標と重なっているかどうか充分に確認してエントリーしましょう。
ここが破られた場合一気に持っていかれる可能性もありますので。
クラブパターンの損切りポイント
Xより後方にすでにD点があるので損切りポイントはわかりづらいですが、XAの161.8%のフィボナッチの外にでたらそこが損切りポイントになります。
クラブパターンの利確ポイント
DとBの間がPRZ(利確ゾーン)となっているので、二回に分けてフィボナッチ比率に従って利確オーダーを出しましょう。
バタフライとクラブパターンの比較
バタフライとクラブのパターンは一見よく似ているのですが、
というのが判別する際に最も分かりやすい点です。
ハーモニックパターンの学習は似たパターンとの区別が大事になります。
B点はバタフライの場合78.6%と固定なのに対して、クラブは38.2〜61.8%になってます。
つまりクラブの場合は、この真ん中のB点の戻り値が浅く、最大で61.8%まで戻してもまだバタフライの78.6%よりは浅いので一目瞭然です。
こういう感じで典型パターンである、ガートレイ・バット・バタフライ・クラブの4種類は混同しないように整理して覚えておきましょう!
まとめ
ハーモニックパターンの典型的パターンであるバタフライパターンとクラブパターンについて詳しく解説してみましたがいかがでしたか?
ハーモニックパターンを見分けることが出来るようになるには若干習熟が必要ですが、学ぶ価値があるトレード手法だと考えています。
フィボナッチの応用編なのでビットコインFX中級者向けですが、今のトレード手法に行き詰っている方は、ハーモニックパターンをトレードに取り入れてみるのもいいと思います。
ヘッドアンドショルダー(三尊)やエリオット波動などのチャートパターンも合わせて見るとより有力なエントリーの根拠になりますよ。
ハーモニックパターンは他にもあり、新しく登場するパターンもあります。
興味があれば是非他の記事も読んでみてくださいね。
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参考文献:
ハーモニックパターン – TradingView
ハーモニックパターン①『ガートレー』 – ゆきまさFX
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