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レバレッジトークンの使い方|デメリットとトレード戦略【Binance・Bybit比較】

レバレッジトークンの使い方|デメリットとトレード戦略【Binance・Bybit比較】 ByBit(バイビット)

今回は、ビットコインのレバレッジトークンを買っておけば、上昇相場で爆益になるのでは?
という仮説の元、BinanceとBybit取引所のレバレッジトークンについて徹底的に調べて考察しました。

  • レバレッジトークンとは何?
  • 追証のないレバレッジトークンを買えば将来爆益なのでは?
  • レバレッジトークンに潜むリスクとは?
  • 実際にトレードした場合の損益シミュレーション

などを知りたい方にとって有用な内容になっております。

是非最後まで読んでトレード戦略の一つとして考えてみてください。

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レバレッジトークンとは

レバレッジ・トークン(Leveraged Token)とは、清算のリスクがなく仮想通貨の価格にレバレッジをかけた現物トークンです。
株で言う「ダブルインバース」や「レバナス」、従来のレバレッジETFのようなものを暗号通貨に応用したものです。

以下の図のように、BTC価格が5%上昇すればBTC3L(Bybitのロングレバレッジトークン)は15%上昇し、反対にBTC価格が5%下落すればBTC3S(ショートレバレッジトークン)は15%上昇します。

バイビット(Bybit)のレバレッジトークン

Bybit公式

レバレッジトークンは、レバレッジをかけたポジションの管理(必要証拠金の維持、清算リスクなど)を心配する必要がなく、デリバティブでレバレッジをかけて得られる利益を得ることができます。

レバレッジトークンの値動きにはレバレッジがかかっていますが、取引する通貨自体は現物なので、レバレッジ取引に慣れていなくても取り扱いやすいという利点があります

現物取引・デリバティブ取引・レバレッジトークンの違い

以下に、現物取引・デリバティブ取引・レバレッジトークンの違いを分かりやすく表にまとめました。

各取引の違い
現物取引 法定通貨を使用して暗号資産を直接売買すること。単純にBTCやETHなどの暗号資産を米ドルで取引すること。
デリバティブ取引 価格動向を予想して証拠金を担保として売買契約を取引すること
レバレッジトークン 暗号資産の損益と値動きを追跡・増幅するファンド取引のこと。例えば、BTC3L(=3倍のレバレッジでBTCをロング)を購入すると、原資産のBTCUSDTの価格が10%上昇した場合、30%のリターンを得る。

レバレッジトークンの長所と短所

また、現物取引とデリバティブ取引と比べた際のレバレッジトークンの長所と短所を以下にまとめました。

レバレッジトークンの長所と短所
現物取引 レバレッジトークン レバレッジ取引
必要証拠金 なし なし あり
レバレッジ範囲 なし 範囲目標あり 範囲設定なし
強制決済リスク なし なし あり
取引方法 売買 売買
購入&償還
ロング&ショート
適した市況 上昇相場 一方向に強く動く相場 変動が激しい相場
リスク選好度

レバレッジ・トークンの最初の設計は、デリバティブ取引所FTXによって導入されましたが、長期的には期待されるようなパフォーマンスを発揮しない可能性が高いことから、資産運用としての有用性で議論されています。(後述します)レバレッジトークンを売買するデメリット

レバレッジトークンのリバランスについて

Binance(バイナンス)やBybit(バイビット)取引所で扱われるレバレッジトークンにはリバランスという仕組みがあります。

自動的に内部の先物ポジションを増減させる機構

リバランスとは、レバレッジをかけたトークンが、目標とするレバレッジ(1.5倍~3倍)を達成するために、原資産の先物ポジションを増減させる事です。

レバレッジトークンのベンチマーク通貨の価格が上昇すると、ポジション数量が増加しより多く保持することになり、ベンチマーク通貨の価格が下がると保持しているポジションの数量を減少させます

相場の急変同時にリバランスが起こる

レバレッジトークンは一定のレバレッジ比率を維持するものではなく、相場の急変動が起こった場合、または目標レバレッジ範囲外の場合にリバランスが行われます。(1.5倍~3倍)

リバランスのお陰で清算リスクがない

レバレッジトークンのリバランスはアルゴリズムによって管理されており、ユーザー資産を保護しつつ、レバレッジ商品の特性を維持する様に設計されています。

そのため、精算(ロスカット)リスク等の細かな点を心配する事なくレバレッジトークンを保持する事が可能になります。

※ただ、清算リスクが無い代わりに、レバレッジトークンの価値棄損の可能性があります。
詳しくは後述します。

バイナンス(Binance)レバレッジトークンの特徴

バイナンス・レバレッジ・トークン(BLVT)は、Binanceの現物市場で利用できる、無期限先物市場の未決済ポジションのバスケット商品で、証拠金や清算リスクなく取引することができます。

Binanceのレバレッジトークン銘柄一覧

Binanceのレバレッジトークンは、値段が上昇した際に利益がでるブル通貨「UP」、値段が下落した際に利益が出るベア通貨「DOWN」という表記が付いています。
例えば「BTCUP」「BTCDOWN」など対になるトークンになります。

1INCHUP(DOWN)、XLMUP(DOWN)、SUSHIUP(DOWN)、AAVEUP(DOWN)、BCHUP(DOWN)、YFIUP(DOWN)、FILUP(DOWN)、SXPUP(DOWN)、UNIUP(DOWN)、LTCUP(DOWN)、XRPUP(DOWN)、DOTUP(DOWN)、TRXUP(DOWN)、EOSUP(DOWN)、XTZUP(DOWN)、BNBUP(DOWN)、LINKUP(DOWN)、ADAUP(DOWN)、ETHUP(DOWN)、BTCUP(DOWN)
※2022年8月時点

Binanceレバレッジトークンの手数料

取引手数料(定期登録と償還) 一律0.1%
管理手数料 毎日00:00 UTC に0.01%(年率3.5%に相当)

レバレッジトークンには資金調達率などの各種金利が加味されるのでトークン価格に時間経過とともに反映されます。(参考

Binanceレバレッジトークンのパフォーマンス

2022年3月28日~8月31日のBinance BTCチャートからパフォーマンスを考察しました。

  • 現物価格:47323ドル→20371ドル(0.43倍:約5分の2)
  • BTCUP:55.1ドル→4.5ドル(0.08倍:約11分の1)
  • BTCDOWN:0.0086ドル→0.0326ドル(3.79倍)

Binanceレバレッジトークンのパフォーマンス

バイビット(Bybit)レバレッジトークンの特徴

Bybit(バイビット)取引所とは

Bybitのレバレッジトークンは無期限契約ポジションのバスケットを表しており、証拠金やポジション管理料、清算リスクなく取引することができます。
レバレッジトークンを取引をすると、原資産の契約バスケットに投資していることになります。

Bybitのレバレッジトークン銘柄一覧

Bybitのレバレッジトークンは、値段が上昇した際に利益がでるブル通貨「3L」、値段が下落した際に利益が出るベア通貨「3S」という表記が付いています。(通貨により倍率は異なる)
例えば「BTC3L」「BTC3S」など対になるトークンになります。

BTC3L、BTC3S、ETH3L、ETH3S、SOL3L、SOL3S、DOT3L、DOT3S、XRP3L、XRP3S、AVAX2L、AVAX2S、ADA2L、ADA2S、SAND2L、SAND2S、LTC2L、LTC2S
※2022年8月時点
BTC3Lとは、BTCUSDT無期限契約のロングポジション3倍のレバレッジ目標で保有するレバレッジトークンのことを指します。

Bybitレバレッジトークンの手数料

取引手数料(購入と償還) 一律0.1%
管理手数料 0%

Bybitのレバレッジトークンには取引手数料しかかかりませんが、資金調達率などの各種金利がトークン価格が時間経過とともに反映されます。(参考

Bybitレバレッジトークンのパフォーマンス

2022年3月28日~8月31日のBybit BTCチャートからパフォーマンスを考察しました。

  • 現物価格46621ドル→20356ドル(0.43倍:約5分の2)
  • BTCL3価格13.559ドル→0.703ドル(0.051倍:約19分の1)
  • BTCS3価格5.992ドル→22.755ドル(3.797倍)

Bybitレバレッジトークンのパフォーマンス

Bybit・Binanceレバレッジトークン比較・違いは?

手数料の比較

Binance Bybit
取引手数料(購入と償還) 一律0.1% 一律0.1%
管理手数料 毎日0.01% 0%

Binanceのレバレッジトークンの場合は、通常の取引手数料とは別に管理手数料が毎日0.01%かかりますが、Bybitではかかりません
ただ、トークン価格にいくらか反映されていると思われます。

レバレッジトークンの倍率

まず一番大きな違いはレバレッジ倍率です。Bybitのレバレッジトークンは3倍固定(リバランスによる目標値)とされていますが、バイナンスのレバレッジトークンは1.5倍~3倍の間で変動すると明記されており、幅があります。

フロントランニングの脆弱性を減らすため、正確な倍率を明記しない仕様になっているとのことです。

レバレッジトークンのパフォーマンス

2022年3月28日~8月31日のBinanceとBybitのBTCチャートからパフォーマンスを考察しました。

Binanceレバレッジトークンのパフォーマンス

  • 現物価格:47323ドル→20371ドル(0.43倍:約5分の2)
  • BTCUP:55.1ドル→4.5ドル(0.08倍:約11分の1)
  • BTCDOWN:0.0086ドル→0.0326ドル(3.79倍)

Bybitレバレッジトークンのパフォーマンス

  • 現物価格46621ドル→20356ドル(0.43倍:約5分の2)
  • BTCL3価格13.559ドル→0.703ドル(0.051倍:約19分の1)
  • BTCS3価格5.992ドル→22.755ドル(3.797倍)
BTCDOWNとBTCS3の利益率は、ほぼ同じくらいでしたが、BTCUPとBTCL3にはやや差があり、上場して日が浅いBybitのチャート推移を今後もチェックしていく必要がありそうです。
というかレバレッジ設定が若干違うのに利益は同じくらいなんですね。

外部ウォレットへの送金はできない

かつて、FTXに上場していたレバレッジトークンはERC20で、外部のウォレットに引き出すことが可能でしたが、BinanceとBybitともにレバレッジトークンは取引所内だけで取引できるもので外部に出金出来ません。

レバレッジトークンをトレードするメリット

レバレッジトークンには以下のような大きなメリットがあります。

  • 複利利回り
  • 強制決済リスクなし
  • 手軽なレバレッジ取引

以下に説明します。

複利利回り

レバレッジトークン用に設計されたリバランス機構で、一方的に強く動く市場(ロング、ショート問わず)で複合的な利益を得ることができます。

強制決済リスクなし

レバレッジトークンの保有に証拠金が不要なので、強制決済のリスクが存在しません。

手軽なレバレッジ取引

レバレッジトークンを購入するには、対象となるトークンのロング側またはショート側を選択購入するだけです。このため、資金を最大限に活用することできる可能性ができます。

レバレッジトークンを売買するデメリット

ここまでレバレッジトークンの仕組みや取引方法について紹介してきましたが、レバレッジトークンには以下のように注意点もあります。

  • 長期運用には不向き
  • 金利コストが上乗せされている
  • 外部に引き出せない
  • 最悪のシナリオは価値0

以下の点に注意しながら取引を行いましょう。

長期運用には不向き

BinanceもBybitもどの取引所のレバレッジトークンも性質上、予想と反対の値動きの方が増幅される傾向があり、必ずしも原資産に連動したリターンが約束されているわけではありません。

長期保有する場合、原資産に動きがなかったとしても管理手数料や金利・リバランスコスト等の影響もあり、長く持つほど価値が下がっていく傾向があるので、長期保有には不向きです。

以下はBinanceのBTC/USDT週足チャートに、BTCUP/USDT(レバレッジトークン)チャートを重ねたものです。
上昇相場では確かに大きなリターンが見込めますが、下落相場では現物以上に下落しており、エントリー時次第では現物価格ほど価格が戻ってきていません。

レバレッジトークンを売買するデメリット

金利コストが上乗せされている

資金調達率やポジション管理料などの金利コストはレバレッジトークンのトレードでは一切かかりませんが、トークン価格には反映されていきます。
つまり長期保持した場合、現物価格の変動の影響+金利コストの分、トークン価格に反映され下落するということです

Binanceのレバレッジトークンの場合は、通常の取引手数料とは別に管理手数料が毎日0.01%かかります。Bybitではかかりませんがトークン価格にいくらか反映されていると思われます。

外部ウォレットに引き出せない

レバレッジトークンは取引所独自のリバランス機構で管理されているので、現物通貨のように外部ウォレットに引き出すことは出来ません。

なので取引所内で売買を完結させる必要があります。

レバレッジトークン取引で最悪のシナリオは「価値0」

レバレッジトークンの価値は、手数料、スリッページ、リバランス・アルゴリズム・フロンティアランニング等のリスクにより、限りなくゼロ (0) 近い値になる可能性があります。 市場崩壊レベルの大暴落時とかですね。

Binanceのレバレッジトークンを取引する方法

Binance(バイナンス)にログインします。

管理画面から「レバレッジトークン」ページにアクセス

Binanceレバレッジトークン(BLVT)は、他の通貨と同様にBinanceの現物市場に上場されていますが、BLVTは別の場所にあります。「デリバティブ」→「レバレッジトークン」からアクセスできます。これは、これらのトークンを他の種類の取引可能な資産と区別する為です。 binance「レバレッジトークン」を選択

取引したいレバレッジトークンを選択

下に行くと取引可能なレバレッジトークンの一覧があります。
今回は「BTCUP/USDT」を選択します。

binance取引したいレバレッジトークンを選択

初めてレバレッジトークンを取引する場合はクイズに回答する

初めてレバレッジトークンを取引する場合は、以下のクイズに回答する必要があります。答えはすぐ分かるようになっているので誰でも正解可能です。

binance初めてレバレッジトークンを取引

通常の現物取引と同じ手順で注文を出す

通常の現物取引と同じ方法でオーダーを出すことができます。

binance-levaregetoken通常の現物取引と同じ

通常取引の他に定期登録と償還がある

Binanceのレバレッジトークンは、普通の現物取引で購入・売却する以外にも、定期登録や償還という方法で取引することが可能です

現物マーケットの売買とは別に、償還を申し込むことで払い戻しをしてもらうことが出来ます。

  • トレード…現物市場の板取引で売買すること
  • 定期登録…レバレッジトークンを現在の市場価格で一括購入すること
  • 償還…レバレッジトークンを現在の市場価格で一括売却すること

レバレッジトークン取引ページの「定期登録(申し込む)」や「償還」のタブを押すことで、このような画面が出てきます。binance-レバレッジトークンの取引ページ

binance-レバレッジトークン取引ページの「定期登録(申し込む)」

定期登録と償還も通常の取引手数料と同様に 0.1%の手数料です。

レバレッジトークンごとに定期登録限度額や申し込み限度額は決まっていて、値動きなどに左右されます。リバランスされている最中は申し込みも償還も出来ないので注意

Bybitのレバレッジトークンをトレードする方法

Bybit(バイビット)にログインします。

Bybitの管理画面から「レバレッジトークン」を選択

bybit-levaregetokenBybitの管理画面から「レバレッジトークン」を選択

もしくは銘柄選択で「USDT」のタブからレバレッジトークンを選択できます。bybit-levaregetoken-銘柄選択で「USDT」のタブ

取引したいレバレッジトークンを選択

下の方にカーソルを移動するとBybitのレバレッジトークン銘柄一覧があります。
今回は「BTC3L/USDT」を選択してみます。「Trade」をクリックします。

bybit-levaregetoken取引したいレバレッジトークンを選択

通常の現物取引と同じ手順で注文を出す

通常の現物取引と同じように指値注文と成行注文を使うことができます。

bybit-levaregetoken-通常の現物取引と同じ手順

通常取引の他に定期登録と償還がある

Bybitのレバレッジトークンも、普通の現物取引で購入・売却する以外に、購入と償還という方法で取引することが可能です

  • トレード…現物市場の板取引で売買すること
  • 購入…レバレッジトークンを現在の市場価格で一括購入すること
  • 償還…レバレッジトークンを現在の市場価格で一括売却すること

レバレッジトークン取引ページの「購入と償還」のタブを押すことで、このような画面が出てきます。bybit-「購入と償還」

購入と償還も通常の取引手数料と同様に 0.1%の手数料です。

リバランス中は「購入・償還」が行なえないので注意。

レバレッジトークンについてのまとめ

レバレッジトークンの使い方と、メリット・デメリットとトレード戦略について、Binance・Bybitのレバレッジトークンを比較しながら解説してみました。

一方向に動く相場でエントリーするなら良いリターンが得られると思いますが、以下のメリットとデメリットの兼ね合いを常に考えましょう。長期間保持するのはとても不利です。

メリット

  • 複利利回り
  • 強制決済リスクなし
  • 手軽なレバレッジ取引

デメリット

  • 長期運用には不向き
  • 金利コストが上乗せされている
  • 外部に引き出せない
  • 最悪のシナリオは価値0

自分のトレードスタイルに合わせてレバレッジトークンを活用し、利益の獲得を目指してください。

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