大口ビットコイン保有者、いわゆるクジラと呼ばれるウォレットアドレス(リッチリスト)の調べ方と、その動向から価格操作を察知するトレード戦術を話せる範囲でご紹介します。
ビットコインは誕生してからすべての資金移動やウォレットのアドレスが公に公開されており、その他の市場であればインサイダー情報である類のデータを世界中の誰もが平等に見ることができます。
このパブリック・ブロックチェーンデータが存在することで、仮想通貨、ビットコインFXは他の金融商品と全く異なる性質を持つものだと言えます。
今までの金融市場では機関投資家が支配できたマネーゲームを、一般人が同じ土俵で戦うことが許された唯一の金融商品だと言っても過言ではないでしょう。
大口ビットコイン保有者アドレス(リッチリスト)の動向を知る術があることは大きなアドバンテージになります。
これを最大限活用しビットコインFXで勝つ戦略を考えたので、ぜひ参考にしてください。
ビットコイン保有者アドレスを調べる方法
ビットコイン保有者アドレスを調べるために参考になるのがbitinfochartsというサイトのBitcoin Rich Listページです。
Bitcoin Rich Listページから大きく二つの重要な情報が得られます。(スクショ日 2019/4/3)
ビットコインを保有しているアドレス数と分布比率
Balance | BTCの保有数量によってグループ分けされてます。 |
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Address | BTC保有数量グループ別でのアドレス数が表示されてます。0.001以下の小口が最も多く、10万BTC以上を持つ大口アドレスが5つあることがわかります。 |
%Address | BTC保有数量グループ別でのアドレス数分布割合が表示されてます。 |
Coins | BTC保有数量グループ別でのビットコイン保有数が合計して表示されてます。 |
$USD | USドル建てだといくらの価値があるか表示されてます。 |
%Coins | BTC保有数量グループ別でのビットコインの保有割合が表示されてます。0.1BTC以下のアドレス全て足してもBTC供給量の1%程度であることがわかります。 |
この表はリアルタイムに更新されています。今のビットコイン相場にいくつの大口アドレスが存在しているのか、各価格帯でのアドレス数の増減などから市場のお金の流れを漠然と博することができます。
ビットコイン保有数アドレスランキング
ページを下にスクロールすると、ビットコイン保有数アドレスのランキングがあります。
このランキングは10000位までのビットコインアドレスまで見ることができます。
米Bittrexが1位、続いてBitfinex、Bitstamp、Huobi、Binanceと大手取引所のウォレットが並んでいます。
※ビットコインアドレスのみでは、個人の特定はできません。
Address | 一位から順にアドレスが公開されています。取引所だと判明しているものは取引所名の記載があります。 |
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Balance | 保有しているビットコイン総量が記載されています。さすが取引所は多いです。 |
% of coins | 発行済みBTC全体から見た占有割合を表示してます。 |
First In | 初めてそのウォレットアドレスにビットコインが入金された日時です。結構最近作ったものが多いですね。監視対策でしょうか。 |
Last In | 最も最近使われた時の日時です。表示は日本時間です。 |
Number Of Ins | 入金された回数です。回数が少ないのは、最近作ったコールドウォレットアドレスだからでしょう。 |
First Out | 初めてそのウォレットアドレスからビットコインが出金された日時です。 |
Last Out | もっとも最近そのウォレットアドレスからビットコインが出金された日時です。 |
Number Of Outs | 出金された回数です。 |
このランキングをじっと見ていると、ビットコインの大口アドレスがどれくらいいて、どの程度のビットコインを保有しているかが感覚で掴めてきます。
上位100アドレスは一万BTC以上保有している(超)大口アドレスであることがわかります。
記事執筆時点で、10,000BTCを超えるウォレット数は102アドレス、これらが保有しているBTC量は市場に出回っている現供給量の16.33%にも上るそうです。
ただ単にビットコイン残高のランキングだけというわけではなく、BTC何枚をいつ買って、いついくら売ったのかという情報まで知ることができます。ちなみに表示は日本時間です。
ちなみにビットコインアドレスの総数は平均40~50万件ほどで推移しています。(空になったアドレスはカウントされない仕様になっているのかな?)
ただ、ここまでの情報だけでは「ほ~、なるほどな~」くらいですが、このアドレス群からのお金の動きが見えてくると意味が出てきます。
個人口座(大口アドレス)の特徴
最近出入金が起きている、いわゆるアクティブな口座を追跡することである程度、取引所なのか個人の大口アドレスなのか推測することができます。
個人口座(大口アドレス)を判断するときのポイントを挙げておきます。
- 上昇相場で一定枚数(数百枚以上)ずつ買い上げていき、売り(利確)は短時間で千枚単位。手動トレードとシステム売買がある。
- 数千枚~一万枚で数日~数週間持つスイングトレード。入金はあまりなく、送金のみ。
- 過去に千枚単位の送金履歴。数年間BTC数量に変化はないが、BTCの価値が上がっているので、結果的にドル換算で上位に。取り出せなくなっている?
今ランキング上位のウォレットアドレスが今後も存在するかはわかりません。
新規アドレスを作ってそこに全額送金してしまえば攪乱できますからね。
しかし数年存在しているアドレスは、今後も金庫的な意味で使われ続ける可能性が高いので、ウォッチしていく価値があるのではないかと思います。
ハッキングに使われたウォレットの特徴(大口アドレス)
仮想通貨の世界では、主に取引所でハッキング(盗難)事件が起きています。
盗難された仮想通貨はトランザクションで追跡することができるので、ハッカーのアドレスを特定することは実は難しくありません。
なぜ逮捕まで行きつくことができないのかというと、ダークウェブ「Tor」やミキシング機能を使ったウォレットの細分化でマネーロンダリングが行われるからです。
ミキシングというのは、例えば、ハッキングに使われたウォレットに入っている100BTCを、1万個のアドレスに0.001BTCづつ分散して送金し追跡困難にしてしまうなどの手法です。
このような異常な分散(ミキシング)が見られる大口アドレスはハッカー(そのほか詐欺・表立って動かせない資金)のウォレットアドレスであると推測できます。
このハッカーアドレスも価格操作の起点に使われる確率が比較的高いので警戒するべきでしょう。
大口ビットコインアドレスの資金移動を検知する方法
大口ビットコインアドレスの資金移動を検知する方法としてもっとも正統派の方法は、マーケットメイカーである大口アドレスを履歴から突き止め、ウォッチしていくというものですが、けっこう大変ですよね。(そこまでやって情報収集している人もいます!)
ただ、多額のBTCのウォレット移動が起きたときに、それを通知してくれるツールもあるので、上手く利用しましょう。
大口BTCアドレスの資金移動通知ツール
以下の無料ツールで大きな資金移動を検知することができます。(完全にカバーしているわけでは無いと思います。)
ツイッターアカウント:Bitcoin Block Bot、もしくはWhale Alert
こんな感じでツイートで通知してくれます。ツイートのURLをクリックすると送信元と送信先のBTCアドレスがわかります。
このアドレスの履歴情報などを先にご紹介した「Bitcoin Rich List」で調べることで、そのアドレスが大口のマーケットメイカー(チャート職人とか)だったりが何となくわかってきます。
巨額のBTCがbitfinexやBitMEXなどのレバレッジ取引ができる取引所に送金された場合は特に注意が必要です。(後述します)
大口顧客用のセービングアカウントなどもある
下の画像は、とある大口アドレスの出入金の動きとBTC価格の動きを重ねたものです。
直近の約6万BTCの出金履歴を詳細に見てみると、送付アドレスは異なりますが、同じ取引所?のウォレットアカウントのようです。(「bc1q~」から始まる規則性を持たせている)
この動きは、クジラ(大口投資家)がOTC(相対取引)で売却した、もしくは、ビットコインクジラ向けのセービングアカウント「Big Whale Penalty」へ移したと考えられているそうです。
大口ビットコインアドレスの資金移動をトレードに活用
大口ビットコインアドレスの資金移動をトレードに活用していく方法を書いていこうと思います。
大きな価格変動の前後の動きに注目する
ビットコインチャート高騰や暴落の前後、または大きなニュースがあった前後、複数の大口アドレスに大きな取引所への入金の動きがあれば、大口の買い集め、売り玉集めなどが推測できることから、大きく持続的な価格の変動が起きることを示唆しています。
一方、価格の変動があるが大口アドレスで動きがないような場合、トレンドは一時的なもので終わる可能性が高くなります。
また、入出金先のアドレスが取引所である場合には、具体的にどの国のどこの取引所で活発に売買されているのかを調査し、その後の資金流入を予測するという視方も出来ます。
大口アドレスがBitMEXに送金した場合は警戒すべきです。なぜならそのBTCは100%レバレッジ取引の証拠金に使われるからです。
関連記事 【BitMEXの登録方法】BitMEX(ビットメックス)手数料を割引する口座開設方法
BTCウォレットTOP100の動向から判断する
bitinfochartsの仮想通貨保有量TOP100のウォレットデータを利用し、Bitcoin.comは定期的に分析結果を発表しています。
最近のレポートでは、
「2018年12月18日〜2019年2月27日の2ヶ月で取引所を除く個人ウォレットで178,120BTC (+8.8%)保有量を増やしている」
という事実から、ビットコイン大口投資家(クジラ)が底値圏と見ている可能性が高いことが示されました。
実際にこの後、底を割ることなく10万幅以上の高騰が起き、仮説が正しいことが証明されました。
このような一連の流れを見るだけでだいぶビットコインFXのチャートとの向き合い方も変わってくると思います。
リッチリストに関するまとめ
大口ビットコイン保有者アドレス(リッチリスト)の調べ方、資金移動の動向から価格操作を察知するトレード戦術をご紹介しました。
BitMEXの口座(ウォレット)アドレスは必ず「3MEX~」で始まるので捕捉しやすいです。
大口ビットコイン保有者アドレスが独自ウォレットからBitMEX口座に送金するとき、必ず仮想通貨市場の価格を操作する可能性が高いでしょう。
- 大口は潤沢な資金で何をしようとしているのか?
- 資金調達率は今どうなっているか?
- ファンダはあるのか?
仮想通貨相場に限らず、マーケットというのは情報戦であり、何もない人と比べて有利な立場でトレードができることは間違いありません。
手法やインジケーターなどからこういったビットコインアドレスの動向を探る方法など、使う武器は多くありますが、自分が有効だと信じる方法を見つけ、じっくりと腰を据えて自分にあったトレード手法を見つけてください。
当サイトでは、ビットコインFXで使えるトレード戦略やテクニカル分析方法など惜しみなく公開しています。
あなたのFXトレードの力になる情報が見つかることを願っています。
海外に流れた日本マネーを取り戻したらんかい!