ビットコイン価格が長期的に上昇している一方で、Googleの検索指数は以前ほど高まっていません。
2021年2月と2026年9月を比較すると、ビットコイン価格は約75%上昇しているにもかかわらず、Google検索指数は27から8へ、約70%も低下しています。

この現象は、ビットコインへの関心が薄れていることを意味するのでしょうか。
また、Google検索指数の低迷は、ビットコインの弱気相場がまだ続くことを示しているのでしょうか。
この記事では、2011年から2026年9月までの約15年間のGoogleトレンドデータを分析し、過去の弱気相場との関係や、検索指数が低下している背景について解説します。
Googleトレンドとは?検索指数の仕組み

Googleトレンド(Google Trends)は、特定のキーワードがGoogleでどれくらい検索されているか、その推移を調べられる無料サービスです。
Googleトレンドでは、検索回数そのものではなく、検索の相対的な人気度を指数として表示します。
基本的な仕組みは次のとおりです。
| 検索指数 | 意味 |
|---|---|
| 100 | 指定した条件で検索の人気度が最も高い時期 |
| 50 | 最大値の半分の水準 |
| 10 | 最大値の10分の1の水準 |
| 0 | データが不足している、または非常に低い水準 |
検索指数は、指定した期間や地域などの条件によって変わります。
また、検索指数が半分になったからといって、Googleでの検索回数そのものが半分になったとは限りません。
今回使用したデータの条件は以下のとおりです。
- 検索キーワード:bitcoin
- 対象地域:全世界
- 対象期間:2011年1月〜2026年9月
- データ形式:月次
- 分析対象:Google検索指数
なお、2026年10月は月途中のため、今回の分析から除外しています。
ビットコインのGoogle検索指数を過去15年間で比較

まず、過去15年間のGoogle検索指数を確認してみましょう。
2017年:ビットコインブームで検索指数が急上昇
2017年は、ビットコインが世界的な注目を集めた年です。
年末にはビットコイン価格が約2万ドルまで上昇し、個人投資家の間でも大きな話題となりました。
2017年12月のGoogle検索指数は41を記録しています。
当時は、ビットコインそのものを知らない人も多く、価格上昇とともに基本的な情報を検索する動きが広がったと考えられます。
2021年:価格は最高値を更新するも検索指数は27
2021年には、ビットコイン価格が2017年の最高値を大きく更新しました。
しかし、2021年2月のGoogle検索指数は27でした。
2017年12月の41と比較すると、約34%低い水準です。
ここで興味深いのは、ビットコイン価格が大きく上昇しても、Google検索指数が必ずしも同じように増加するわけではないという点です。
ただし、これは異なる時期を比較したものであり、2021年の強気相場全体の検索指数が2017年より低かったことを意味するわけではありません。
2024〜2026年:検索指数は一時的に上昇するも低水準
続いて、2024年以降の推移を確認します。
| 時期 | Google検索指数 |
|---|---|
| 2017年12月 | 41 |
| 2021年2月 | 27 |
| 2024年11月 | 18 |
| 2025年11月 | 14 |
| 2026年2月 | 17 |
| 2026年9月 | 8 |
2024年11月には18、2026年2月には17まで上昇するなど、一時的に検索指数が高まる場面もありました。
しかし、2026年9月には8まで低下しています。
2017年12月の41と比較すると、約80%低い水準です。
一方、2019年には検索指数が3まで低下した時期もあるため、2026年9月が過去最低というわけではありません。
重要なのは、ビットコイン価格が長期的に上昇している一方で、Google検索指数は必ずしも増加していないことです。

Google検索指数の低迷はビットコインの弱気相場を意味するのか?
Google検索指数が低い状態にあると、ビットコインへの関心が薄れ、今後も価格が下落するのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、過去の弱気相場を分析すると、検索指数の低迷が必ずしも価格の下落継続を意味するわけではないことが分かります。
ここでは、2018〜2019年と2022〜2023年の2つの弱気相場を比較します。

2018〜2019年:価格が大底をつけた後も検索指数は低下
ビットコインは2017年末に約2万ドルの高値をつけた後、2018年に大きく下落しました。
価格が大底を形成したのは2018年12月です。
一方、Google検索指数は2018年10月に4まで低下し、その後2019年3月には3を記録しています。
つまり、ビットコイン価格が底を打った後も、Google検索指数は低迷していたのです。
2019年にはビットコイン価格が回復に向かいましたが、検索指数はしばらく低い水準で推移していました。
2022〜2023年:FTX問題で検索指数が一時上昇
2022年は、米国の金融引き締めや暗号資産市場の信用不安などを背景に、ビットコイン価格が大きく下落しました。
さらに11月には、暗号資産取引所FTXの経営破綻問題が発生しています。
このときGoogle検索指数は、2022年10月の7から11月には10へ上昇しました。
価格が下落している局面でも、大きなニュースが発生すると検索指数が高まる場合があります。
そして、ビットコイン価格は2022年11月に大底を形成しました。
ところが、Google検索指数が6まで低下したのは2023年9月です。
この時点でビットコイン価格は、すでに底値から大きく回復していました。
検索指数が低くても大底をつけている可能性はある
過去2回の弱気相場では、ビットコイン価格が大底をつけた後も、Google検索指数が低迷する場面が確認できました。

このことから、現在のGoogle検索指数が低いからといって、ビットコインがまだ大底をつけていないと判断することはできません。
仮に現在のビットコインがすでに大底を形成していたとしても、検索指数の低迷は過去の事例と矛盾しないのです。
ただし、検索指数が低いこと自体が底打ちのサインになるわけでもありません。
過去2回の事例だけで、今後の価格動向を予測することは難しいため、他の指標と合わせた分析が必要です。
ビットコイン価格とGoogle検索指数の関係が変化した4つの理由
ビットコイン価格が長期的に上昇しているにもかかわらず、Google検索指数が以前ほど高まらない背景には、いくつかの要因が考えられます。
① ビットコイン現物ETFと機関投資家の参入

2024年1月、米国でビットコイン現物ETFが承認されました。
これにより、投資家は暗号資産取引所でビットコインを直接購入しなくても、証券口座などを通じてビットコインに投資できるようになりました。
機関投資家や資産運用会社の存在感が高まれば、Google検索指数に表れにくい投資需要が価格を支える可能性があります。
ただし、ETFの普及だけで検索指数の低下を説明できるわけではありません。
② ビットコインの認知度が高まった

2017年当時は、ビットコインについて詳しく知らない人も多く、価格が急騰すると検索する人が増えたと考えられます。
しかし現在では、ビットコインは金融ニュースや経済メディアでも日常的に取り上げられています。
すでにビットコインを知っている人が増えたことで、以前ほど基本的な情報を検索する必要がなくなった可能性があります。
つまり、検索指数が低いことは、必ずしもビットコインの認知度が低下したことを意味しません。
③ ChatGPTなどAIによる情報収集の普及

近年、情報収集の方法にも変化が見られます。
以前は、分からないことがあればGoogleなどの検索エンジンで調べるのが一般的でした。
しかし現在では、ChatGPTなどの生成AIに直接質問する人も増えています。
こうしたAIへの質問は、基本的にGoogleトレンドの検索指数には反映されません。
そのため、Google検索指数が低下していても、ビットコインへの関心が同じ割合で減少しているとは限らないのです。
ただし、AIの普及が検索指数にどの程度影響しているかについては、今回のデータだけでは判断できません。
④ 新規の個人投資家による熱狂が不足している可能性

一方で、一般投資家の関心そのものが、過去の強気相場ほど高まっていない可能性もあります。
2021年2月と2026年9月を比較すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 2021年2月 | 2026年9月 | 変化 |
|---|---|---|---|
| ビットコイン価格(月間平均・概算) | 約4.6万ドル | 約8.0万ドル | 約75%上昇 |
| Google検索指数 | 27 | 8 | 約70%低下 |
ビットコイン価格は上昇しているにもかかわらず、検索指数は大幅に低下しています。
これは、一般投資家の関心や熱狂が、過去の強気相場ほど高まっていない可能性を示しています。
ただし、Google検索指数だけで新規投資家の人数や実際の投資額を判断することはできません。
今後注目したい2つのポイント
Google検索指数の低迷をどう評価するかについて、今後は次の2つの指標に注目したいと考えています。
① Google検索指数とビットコイン価格の連動性

今後、ビットコイン価格が上昇した際に、Google検索指数も回復するのか注目です。
過去の強気相場では、ビットコイン価格の上昇とともに、一般投資家の注目度も高まる場面が見られました。
同様の動きが確認できれば、個人投資家の関心が再び高まっている可能性があります。
一方で、AIによる情報収集の普及など、検索行動そのものが変化している点には注意が必要です。
② ビットコイン現物ETFへの資金流入

もう一つ重要なのが、ビットコイン現物ETFへの資金流入です。
Google検索指数が低い状態でも、ETFへの資金流入が続くのであれば、検索指数には表れにくい投資需要が市場を支えている可能性があります。
反対に、検索指数が低迷し、ETFからも継続的な資金流出が確認される場合は、市場全体の需要が弱まっている可能性があります。
今後は、検索指数とETF資金フローの両方を確認することが重要になるでしょう。
まとめ:Google検索指数の低迷だけでビットコインの底打ちは判断できない
今回、2011年から2026年9月までの約15年間のGoogle検索指数を分析しました。
主なポイントは以下のとおりです。
- 2021年2月と2026年9月を比較すると、ビットコイン価格は約75%上昇した一方、Google検索指数は約70%低下
- 2018年と2022年の弱気相場では、価格が大底をつけた後も検索指数が低迷
- 検索指数の低迷だけで、ビットコインがまだ大底をつけていないと判断することはできない
- ETFや機関投資家の参入、AIによる情報収集の普及などが、価格と検索指数の関係に影響している可能性
- 今後はGoogle検索指数とビットコイン現物ETFへの資金流入に注目
私が今回の分析で特に重要だと考えているのは、検索指数の低迷が必ずしも弱気相場の継続を意味しないという点です。

過去の事例を見る限り、検索指数が低迷したままでも、ビットコイン価格が回復する可能性はあります。
ただし、検索指数だけで相場の底を判断することはできません。

今後も価格動向やETF資金フローなど、複数の指標を組み合わせて分析していきたいと思います。
YouTube動画でも詳しく解説
今回の分析は、YouTubeチャンネル「ビット仙人」でもグラフを使って解説しています。
【BTCに異変】Google検索数が激減…過去15年のデータが示す意外な事実
参考資料
- Google Trends:全世界「bitcoin」月次検索指数
- Bitcoin Historical Price Data:ビットコイン価格の月次データ
※Google検索指数は検索回数そのものではなく、相対的な検索の人気度を示す指標です。



