仮想通貨(暗号通貨)市場全体の相場状況を見る指標として代表的なものにビットコインドミナンスがあります。
BTCドミナンスとは、ビットコインの時価総額が仮想通貨市場全体に対してどれだけシェアを有しているか割合を算出したものです。
そのBTCドミナンスチャートの推移をよく観察すると、BTC価格と連動する法則を見つけることができます。
この記事では、ビットコインのドミナンスの調べ方や見方、ビットコインFXトレードで有効なドミナンス理論、もといドミナンストレード戦略をご紹介します。
仮想通貨ビットコインのドミナンスチャートとは
ドミナンス(dominance)とは英語で、「支配、優勢」という意味があります。
金融市場、特に仮想通貨市場でドミナンスという場合、仮想通貨市場全体におけるビットコイン時価総額の占有率を指します。
2019年のBTCドミナンスは52~73%という幅で推移しています。けっこう動きがあるように感じますよね。
ビットコインのドミナンスのみを表示するチャート(左)と、主要アルトコインのドミナンスもまとめて表示するもの(右)もあります。
アルトコインのトレードを頻繁にしないのであれば、基本的にビットコインのドミナンスのみを監視していくというのが一般的な使い方に思えます。(アルトコインにはイレギュラーな動きもあるから)
余談ですが、大手コンビニチェーンが同一商圏内で集中的に出店しシェアを独占する手法を「ドミナンス戦略(ドミナント戦略)」と呼びます。
BTCビットコインドミナンスの推移
BTC価格チャート(日足)にBTCドミナンスチャート(オレンジ色)を重ねました。
2016年以前のBTCドミナンスは95%だった
ビットコインのドミナンスは2016年以前は95%以上(ほぼビットコイン)で推移していましたが、2017年以降はアルトコイン価格の上昇や種類の多様化によって、30~71%とかなり変動幅が出ています。
2019年のBTCドミナンスは52~73%で推移
2017年からは一転減少に転じたBTCドミナンスですが、今2018年末に底打ち(36%)し、再び上昇に転じています。上昇の一途です。
というか、このBTCドミナンスの動きは2019年5月からビットコインの現物価格チャートとそっくりな動きをしているんですよね。
この頃(2019年5月)に仮想通貨市場は2017年末のアルト含むバブル相場をやっと消化し、成熟段階に向かっているんじゃないかと考察します。
3つのサイクルで相場は循環しているという理論でしたが、過去のチャートを検証した結果あまり信ぴょう性を確認できませんでした。
ビットコインドミナンスチャートを比較するトレード戦術
後で紹介する「BTC情報アラート」のデータをみると、以下のような法則が確認できました。
BTCドミナンスチャートとBTC価格チャートを並べて表示しているのですが比較すると、ドミナンスチャートがBTC現物価格チャートを大きく下回り乖離が開くと、ドミナンスが底打ちした辺りからBTC価格も反発上昇するように見えます。(緑色〇はAPSの高反応)
ただし、コロナ暴落時のように暴落前兆として見ることもできます。
コロナの時は連れ安だった・半減期前だったということもあり状況が違うので単純比較はできないと思っています。
長期の比較チャートを見てみると、2018年2月~2019年4月は以下の関係も確認できます。
- BTCドミナンスが価格より下乖離して逆相関=上昇期待
- BTCドミナンスが価格より上乖離して逆相関=下落期待
この傾向は期間限定だったのかもしれないし、チャートの重ね方により多少の誤差があるかもしれませんが、要所では相関しているように見えました。
ビットコインドミナンスチャートを調べる方法・見方
ビットコインのドミナンスを調べる方法はいくつかあります。
coinmarketcapで見る方法もありますが、私はTradingViewの「BTC.D指数チャート(MARKET CAP BTC DOMINANCE)」をおすすめします。
理由は動作が軽いのでスマホでもチェックすることができ、ビットコインの価格チャートを重ねて推移を比較するなど便利な機能があるからです。
TradingViewサイト(アプリ)の銘柄検索窓で、「MARKET CAP BTC DOMINANCE」と検索すると、以下の画像のように「MARKET CAP BTC DOMINANCE, %」が見つかるのでウォッチリストに追加するなりして定期的にチェックできるようにしておきましょう。
TradingViewのBTCチャートにドミナンスチャートを重ねる
先に紹介したBTC現物価格チャートとBTCドミナンスチャートの相関関係を見るには、二つのチャートを重ねて表示し比べる機能が便利です。
TradingViewでチャートに別銘柄を重ねる方法をご紹介します。
まず、TradingViewにアクセスしてBTCチャートをどれか表示します。
私がよく基準にみているのはbitfinexのBTC/USDチャート、もしくはBitMEXのXBTUSDチャートです。
次に上部メニューの「比較」をクリックし、シンボルの入力欄にBTCと入力し「MARKET CAP BTC DOMINANCE」を探しクリックします。
するとビットコインのドミナンスチャートが出てくるので、そのチャートの形とビットコインチャートの形がだいたい重なって見えるように微調整しよく見比べてみて、今のビットコインのドミナンスは現物価格チャートと相違があるかどうか探してみてください。
TwitterのBTC情報アラートが便利!
実は上述した方法よりも簡単にビットコインドミナンスを監視する方法があります。
それはTwitterアカウント「BTC情報アラート(@btc_status)」をフォローすることです。
このような画像でツイートされます。
ビットコインのリアルタイムなドミナンスチャート以外にも以下のような情報が得られます。(一例)
- BTCトラザクションの未確認取引数(増えるとボラティリティ増加示唆)、
- BitMEX未決済建玉(OI)の推移、
- USDT時価総額(BTC価格に強く影響を与える)、
- Deribitオプション建玉表、プットコールレシオなど
トレードに有益なリアルタイムな情報を一定期間で自動ツイートしてくれます。控えめに言って神ツールです。
まとめ BTCドミナンスは仮想通貨市場全体を映す
ビットコインのドミナンスチャートから価格推移を読む仮想通貨トレード戦略というテーマで記事を書いてみましたがいかがでしたでしょうか。
- ドミナンス=寡占・独占を意味する
- BTC現物価格チャートとBTCドミナンスチャートを比較
- ドミナンスが著しく低下しているときは価格上昇に向かう傾向にある
- TradingViewでドミナンスチャートをチェックする方法
- ツイッターBOT「BTC情報アラート」が便利
ということを解説しました。
ビットコインのドミナンスは今現在、仮想通貨市場全体の状況を見る重要な指標ですが、ニュースや噂に右往左往されず客観的なデータに基づくものは投資家にとって貴重な情報源ですよね。
ビットコインFXトレードをする際に、エントリー根拠の一つとして役立つなら幸いです。
余談ですが、流動性を考慮するとBTCのシェアは未だ90%以上というデータもあります。取引に使われているのは圧倒的にBTCということですね。こんがらがるので覚えなくていいですよ。
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