Bybit取引所が提供しているデュアル資産投資(旧:二重資産マイニング)について解説します。
Bybitのデュアル資産投資は、期間内におけるBTC、ETH、USDT、BIT等の暗号通貨の値動きを予測するだけで、価格変動の少ない時期でも高利率(APY)で稼ぐことができる短期投資型の資産運用商品です。
デュアル資産投資とは?
Bybitのデュアル資産投資(旧:二重資産マイニング)は、価格変動の少ない時期こそ高い収益を狙える短期投資型の資産運用商品です。
1日・3日・5日等あらかじめ設定された期間内におけるBTC、ETH等の仮想通貨の値動きを予測しステーキングを行うと、相場に大きな変化がない場合にローリスクで高利回りを獲得できるという仕組みです。
以下を見てもらえばわかる通り、短期間ですが100%を超えるAPYが提示されています。
満期時には、決済価格とマーク価格に応じてUSDTまたは選択した仮想通貨で収益を受け取ることができます。ここがミソなので以下で詳しく解説します。
デュアル資産運用が適している人
- USDTまたは選択した暗号通貨のいずれかを保持することに抵抗がない
- より高い利回りを望む人
- 別の暗号通貨で決済報酬を受け取ることに抵抗がない
- 選択した2つの暗号資産間のボラティリティが比較的安定していると予測している人
デュアル資産投資の仕組み・決済ルール
ステーキングする資産がUSDTの場合
【決済価格が基準価格を下回る場合】
決済時にBTC、ETH、BITなどを受取ります(購入ペア通貨に依る)
収益=預け入れ額÷基準価格×(1+年間利回り÷365×日数)
【決済価格が基準価格を上回る場合】
決済時にUSDTを受取ります。
収益=預け入れ額×(1+年間利回り÷365×日数)
ステーキングする資産がBTC/ETH/BIT等の場合
【決済価格が基準価格を下回る場合】
決済時にBTC、ETH、BITなどを受取ります(購入ペア通貨に依る)
収益=預け入れ額×(1+年間利回り÷365×日数)
【決済価格が基準価格を上回る場合】
決済時にUSDTを受取ります。
収益=預け入れ額 × 基準価格 ×(1+年間利回り÷365×日数)
まとめると以下の表のようになります。
USDT | ペア通貨 | |
---|---|---|
決済価格<基準価格の場合 | ペア通貨での支払い: 総利益 =ステーキング預入額/基準価格 × (1 + 利回り) |
ペア通貨での支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × (1 + 利回り) |
決済価格≧基準価格の場合 | USDTでの支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × (1 + 利回り) |
USDTでの支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × 基準価格 × (1 + 利回り) |
ETH/USDTのデュアル資産投資を選択した場合
例えばETH/USDTのデュアル資産マイニングの場合、ステーキング資産としてUSDTまたはETHのいずれかを選択します。
決済の際に戻ってくる資産は、基準価格に対する決済価格に応じて、USDTまたはETHのいずれかになります。
【ステーキング資産が USDTの場合】
決済価格<基準価格の場合、決済時にETHを受け取ります。
決済価格≥基準価格の場合、決済時にUSDTを受け取ります。
【ステーキング資産: ETH】
決済価格<基準価格の場合、決済時にETHを受け取ります。
決済価格≥基準価格の場合、決済時にUSDTを受け取ります。
デュアル資産投資の報酬収益シュミレーション
具体的な数値を交えてETH/USDTの一日満期デュアル資産投資をした場合のシュミレーションを解説します。
ステーキング資産がUSDTの場合
A君が、基準価格1ETH=4,000ドルの時、1,000USDTを使用して300%APYの1日満期デュアル資産投資商品を購入する場合、翌日に次の2つの内どちらかの状況が発生します。
もしETHの最終決済価格が4,000ドル未満の場合
投資された1,000USDTは4,000ドルの価格で0.25ETHに変換され、そこに300%APYの収益が追加されます。総受取額は以下の計算に基づいて、0.2521ETHとなります。
総利益 = ステーキング額/基準価格 × (1 + % APY × ステーキング期間/365)
= 1,000 / 4,000 x [1+ 3 x 1/365] = 0.2521 ETH
もしETHの最終決済価格が4,000ドルかそれ以上の場合
A君は1,000USDTの元本と300%APYの収益を受け取り、総受取額は以下の計算に基づいて1,008.21USDTとなります。
総利益 = ステーキング額 × (1 + % APY × ステーキング期間/365)
= 1,000 × [1+ 3 x 1/365] = 1,008.21 USDT
ステーキング資産がETHの場合
B君が、基準価格は1ETH=3,500ドルの時、1ETHを使用して、APYが284%の1日満期デュアル資産投資商品を購入する場合、翌日に次の2つの内どちらかの状況が発生します。
ETHの最終決済価格が3,500ドル以下の場合
B君は1 ETHの元本と284%APYに基づいた収益を受け取り、総受取額は以下の計算に基づいて1.0078 ETHとなります。
総利益 = ステーキング額 × (1 + % APY × ステーキング期間/365)
= 1 × [1 + 2.84 x 1/365] = 1.0078 ETH
もしETHの最終決済価格が3,500ドルかそれ以上の場合
投資された1ETHは3,500USDTに変換され、それに加えて284%APYの収益が得られます。
総受取額は以下の計算に基づいて3,527.23USDTとなります。
総利益 = ステーキング額 × 基準価格 × (1 + % APY × ステーキング期間/365)
= 1 × 3,500 x [1+ (2.84 x 1/365)] = 3,527.23 USDT
Bybitでのデュアル資産投資の購入方法
Bybitに登録しているのであれば、管理画面にログインし、資金が資産運用アカウントに振替されていることを確認しましょう。「資産」→「振替」から資産運用アカウントに振替できます。
デュアル資産運用の収益は資産運用アカウントへと入金されます。
「資産運用」メニューの「デュアル資産運用」ページに進みましょう。
購入したい通貨ペアを選びましょう。
注文画面で、予め詳細に「期間」が確認できます。
また、ステーキング量を決定すると、予想収益が表示されるので良心的ですね。得られるAPY収益に納得できればデュアル資産投資を開始しましょう。リスクは今まで述べた通り、急変時の価格差です。
出金の際には資産運用アカウントから現物アカウントへ振替することになります。振替には手数料は発生しません。
デュアル資産投資の注意点・リスク
収益が当初のステーキング預入額(USDT建て)より少なくなる場合も
トークンの価値はUSDT建てだと最初に預け入れた価額よりも少ない可能性がありますが、トークン建ての数量はプラスになります。つまりトークンのUSDT建て価値は保証されません。
APY利率は変更されないけれど
提示されているAPYは保証されます。
ただし価格変動(決済価格と基準価格との比較次第)により、受け取る通貨がUSDTまたは代替通貨どちらかになるので、いづれかの資産価値で利益は保証されていないと言えます。
bybitデュアル資産投資に関するQ&A
最小ステーキング限度はあるか?
はい。最小ステーキング額は以下の画像のように注文画面に表示されます。
どのような種類のデュアル資産投資商品を購入できるか?
1、3、5日の短期ステーキング期間から選択可能です。
利回りは商品購入時に表示されるAPYに基づいて計算される?
はい。購入時に表示されたAPYで利回りは計算されます。
推定APYは5分毎に更新され、市場の動きに応じて決定され、購入時に固定されます。
残高が十分でも購入不可になる場合は?
そのトークン対象商品がすでに売り切れている可能性があります。
新規プランは毎日午後7時(日本時間)にリリースされるのでチェックしましょう。
報酬支払い日時はいつ?
デュアル資産投資注文ページから、支払いの配布時間が確認できます。
デュアル資産投資注文はキャンセル可能?
一旦購入が確認されると、デュアル資産投資注文は変更、キャンセルができません。資産は期間中ロックされます。
Bybitのデュアル資産投資まとめ
Bybit取引所が提供しているデュアル資産投資(旧:二重資産マイニング)について解説しました。
預け入れる資産がUSDTかそれ以外の通貨か、価格が下回って(上回って)いるかによって、獲得報酬が以下のように違いが発生することが大きな特徴でした。
USDT | ペア通貨 | |
---|---|---|
決済価格<基準価格の場合 | ペア通貨での支払い: 総利益 =ステーキング預入額/基準価格 × (1 + 利回り) |
ペア通貨での支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × (1 + 利回り) |
決済価格≧基準価格の場合 | USDTでの支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × (1 + 利回り) |
USDTでの支払い: 総利益 =ステーキング預入額 × 基準価格 × (1 + 利回り) |
また、短期間(1日、3日、5日)で高いAPYを獲得できるが、USDT建て、ペア通貨建ていづれかで元本割れもあり得るということが最大のリスクであることも分かったと思います。
しかし値動きがあまり変化がないような相場では、高いAPYの恩恵を享受できるので、ねらい目の資産運用方法であるとも言えます。
ローリスクでの資産運用をお探しの方は、是非検討してみてくださいね。
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