Bybit（バイビット）のオプション取引｜やり方とトレードの注意点を解説

Bybit（バイビット）は、ステーブルコインの中でも安定性に定評のあるUSDCを担保とするUSDCオプション契約をリリースしました。

今回はBybitオプション取引のやり方やトレードの注意点など、わかりやすく解説していきたいと思います。

Bybit取引所については以下の記事をご覧ください。

Bybitのオプション取引とは

暗号資産オプションは、BTCなどの暗号資産を将来の特定の時期に所定の価格で売買する権利（義務ではない）を保有者に与える契約です。

BybitのUSDCオプションは、USDCで証拠金決済されます。これはヨーロピアン型の現金決済のオプションで、契約満了時のみに行使できます。

Bybitオプション取引の契約仕様

Bybitのオプション取引契約仕様

契約形態	BTC コール/プットオプション
タイプ	ヨーロピアンタイプオプション （満期日のみに権利行使する）
原資産	BTCインデックス
決済コイン	USDC
有効期限	有効期限週の金曜日17時
契約有効期限	週間・隔週・月間・隔月刊・四半期
最小注文数	0.01 BTC
最大注文数	100 BTC
行使方法	USDC決済
強制決済プロセス	証拠金維持率：100％
手数料	・取引手数料：0.03％ ・受け渡し手数料：0.015％ ・強制決済手数料：0.2％

オプション契約と先物契約の違い

オプション契約	将来の予め決められた期日に定められた価格で、資産を購入する「権利を売買」する取引です。 また、資産を売買することは、あくまで契約者に与えられた「オプション」であり、行使するか放棄するかを選択することが可能です。
先物契約	将来の予め決められた期日に定められた価格で、資産購入の「契約」をする取引です。売買は契約者に課された義務であり、市場が不利な方向に推移した場合も、先物契約は自動的に執行されます。

オプション契約と先物契約のリスクを比べると、先物の方がハイリスク・ハイリターンであると言われています。
オプション取引の場合、最大損失額は支払ったプレミアムに限定されるのに対し、先物契約の場合、損失額は満期日に価格がどれだけ推移したかによって決まります。

簡単に言うとオプションは「権利の売買」、先物は「売買契約」となります。

オプション取引の基礎知識

暗号資産オプションの仕組み

オプション契約は通常、トレーダーと取引所の二者間で結ばれます。オプションの売り手は、満期日と行使価格を指定して、暗号資産取引所に対し、契約注文をします。
そして、取引所が買い手と注文のマッチングをします。

公平性を守るため、プレミアムの費用は、契約満期までの残存期間と、原資産のボラティリティ、市場価格、および金利によって決まります。

暗号資産プットオプションとコールオプションの違い

プットオプションでは市場価格の下落によって利益を獲得し、コールオプションの場合は、資産の市場価値の上昇によって利益を得ることができます。

コールオプションとプットオプションの両方を売ると、プレミアムが発生します。暗号資産の市況が不利な方向に転じた場合、そのリスクはすべて売り手が負担することになります。

先物取引が「売買の契約」なのに対し、オプション取引は「権利の取引」になります。
オプション取引ではコールの買いと売り、プットの買いと売りの4種類を組み合わせることで、さまざまなポジションを取ることができます。以下の４種類です。

初心者には、「コールの買い」「プットの買い」から入るのが分かりやすくてオススメです。

オプション用語の紹介

以下の用語は最低限理解しておきましょう。

オプション用語

プレミアム	オプションの権利を入手する前に、売り手に支払う必要がある特別料金です。
行使価格	売り手がそれ以上の価格でオプションを売ることができない固定価格のことです。つまり、買い手が資産を購入する権利を持つ価格のことです。 また、プットオプションでは、「行使価格」とは、それ以下の価格では買い手がオプションを買うことができない価格のことです。
満期日	オプションが売買されるまでの時間です。この期間が満了すると、オプションの価値はなくなります。
ITM	「インザマネー」の略語で、この言葉は、資産の価格がオプション契約者に有利であることを意味します。つまり、市場価格がコールオプションの行使価格より高いか、あるいは現在の価格がプットオプションの行使価格より低い場合です。
ATM	「アットザマネー」の略語で、これは行使価格と現在の価格が同じであることを意味します。
OTM	「アウトオブザマネー」の略語で、コールオプションの場合、行使価格が市場価格より高い場合を指します。一方でプットオプションの場合、OTMとは行使価格が市場価格より低いことを意味します。

Bybitオプション取引のメリット

安定したUSDC証拠金の取引が可能

BybitではUSDC証拠金のオプション取引なので、より安定した価格で取引が可能になります。

また、BybitのヨーロピアンタイプUSDCオプションは、デリバティブ取引の幅を広げるために追加された「USDデリバティブアカウント」に対応しており、柔軟な資金管理ができるようになります。

リスクヘッジになる

プットオプションを購入することで、価格の下落からポートフォリオを保護することができます。

取引機会の拡大化

数種類のオプションを組み合わせることによって、市場の状況に左右されずに利益を獲得することができます。

また、1日/2日/1週間/2週間/1ヶ月/2ヶ月/3ヶ月の幅広い満期日から選択できます。

低手数料

テイカー手数料は最低0.015%、メイカー手数料は最低0.012%と大変お得です。（手数料については後述）

業界トップクラスの流動性

Bybitの流動性と市場の厚みは業界は世界でも上位3位に入ります。スリッページを最小限に抑えることが期待できます。

Bybitのオプション取引をするリスク

経験やスキル、運にかかわらず、未来の値動きを正確に予測することは誰にもできません。常にリスク管理をして取引を行う必要があります。

オプション取引は、現物トレードに比べて複雑

オプション取引は、現物取引よりも、デリバティブや先物取引よりも理解しづらいところがあります。
慣れるまでは常に少額でトライし、満期日を含めた長い時間軸で慣れていく方が良いでしょう。

わずかな値動きにも影響される場合がある

オプション契約のレバレッジでは、わずかな値動きにより、プレミアムを失う可能性があります。
相場が急変動した場合、デリバティブと同じように、大きな損失となる場合もあります。

ファンダメンタルズでボラティリティが大きく変動する可能性

ファンダメンタルズの変化により、BTC価格とIV（インプライドボラティリティ）等が大きく変動することもあり得ます。
訴訟、ハッキングトラブルなどあらゆる要素が影響を与えます。

Bybitオプション取引画面の見方

以下でBybitオプション取引画面の見方を説明します。

メイン画面の見方

注文履歴	実行中のオプション取引の詳細や履歴が確認できます。
コール	売買可能なコールオプションのbid/ask価格等が表示されます。コールは、満期日に「指定した価格で資産を購入できる権利」を与える契約です。
プット	売買可能なプットオプションのbid/ask価格等が表示されます。プットは、満期日に「指定した価格で資産を売却できる権利」を与える契約です。
行使価格	権利行使価格が表示されます。

分かりにくいですが、現価格を境に、薄く緑がかっているゾーンがインザマネー（ITM）、それ以外のゾーンがアウトオブザマネー（OTM）となります。

ITM	「インザマネー」の略語で、この言葉は、資産の価格がオプション契約者に有利であることを意味します。つまり、市場価格がコールオプションの行使価格より高いか、あるいは現在の価格がプットオプションの行使価格より低い場合です。
ATM	「アットザマネー」の略語で、これは行使価格と現在の価格が同じであることを意味します。
OTM	「アウトオブザマネー」の略語で、コールオプションの場合、行使価格が市場価格より高い場合を指します。一方でプットオプションの場合、OTMとは行使価格が市場価格より低いことを意味します。

オプション注文画面の見方

注文の詳細

オプション契約の名前で、原資産・満期日・権利行使価格・オプション種類（プットまたはコール）が確認できるようになっています。
表示されているギリシャ文字「ガンマ」「シータ」「デルタ」「ベガ」の見方については以下の表をご覧ください。

指標	指標の意味	特徴
デルタ	原資産の価格変動に対する、オプション価格の変動率。通常、0～1までの数字。 例えばデルタが0.5の場合、原資産価格が100上昇した際に、オプションのプレミアムは 50上昇することを意味する。	コールオプションは正のデルタ値を持ち、プットオプションは負のデルタ値を持つ。 ATMは通常0.5に近い。ITMは0.8以上で原資産価格とプレミアムがほぼ連動する。 OTMは0.2以下でプレミアムが小さい。
ガンマ	原資産の価格変動に対する、デルタの変動率。 デルタは重要指標のため、どう変動するかを分析するための指標。	デルタと異なり、ガンマはコール/プット両方に対して常に正の値となる。 ガンマ値はATMで最も大きく、ITMまたはOTMに行くに従い小さくなる。
ベガ	IV(インプライド・ボラティリティ)変動に対する、オプション価格の感応度。 ボラティリティの変動によるオプション価格の変化は、実際にはオプションシミュレータ等によって計算され直接考慮する場面は少ない。	常に正の値となる。 ボラティリティ変動による影響は、ITM・OTMに比べてATMにおいて最も大きくなる。 また、満期までの日数が長いオプションの方が、ベガは大きくなりボラティリティの影響を強く受ける。
セータ	タイムディケイ（時間の経過）によって1日ごとに失われるオプション価格。 原資産価格やIV変動は考慮に入れず、時間価値の減価を予想するための指標。	常に負の値で表され、数値は1日ごとに減少する。 ATMは、満期が近づくにつれてセータが上昇する。ITMとOTMは、満期の目前になるとセータが減少する。

実際にトレードで意識するのはデルタとセータくらいです。

注文のパラメーター

購入するか売却するかを決め、注文価額と注文価格を指定します。
IV – インプライドボラティリティ（推定変動率）を指定して注文することもできます。

Bybitオプション取引のやり方｜オプション購入

暗号資産コールオプションは、Bybitの取引所で取引できるデリバティブ商品です。（Bybitのオプション取引ページ）
Bybitのオプション取引をするにはBybit口座の開設が必要です。以下の記事で詳しく説明しています。

USDCデリバティブ口座に入金する

Bybitの資産ページで「USDCデリバティブ口座」に資産の振替をしましょう。対応通貨はUSDCのみなので、持っていない場合は現物取引で購入しましょう。

Bybitのオプション取引は全て「USDCデリバティブ口座」の残高が証拠金として使われます。

USDCオプションの取引ページ

Bybitの公式サイトにアクセスし、「デリバティブ」の「USDCオプション」を選択します。「USDCオプション」のオプション取引ページが表示されます。

満期日を選択する

希望する満期日を選択します（または、すべての満期日を一度に表示します）

コールオプションまたはプットプションを選択する

購入したいオプションの種類（ここではコールオプション）を選択します。

コールオプションを購入する

購入したいオプションの詳細を、価格またはアクション（買いまたは売り）で選択します。

注文画面が表示されない場合は、画像の「K」のタブをクリックします。

入力した内容が正しいことを確認し、「発注」をクリックします。

注文内容に間違いがなければ「確定」をクリックしましょう。

プットオプションを購入する

購入したいオプションの種類（ここではプットオプション）を選択します。

購入したいオプションの詳細を確認し、価格またはアクション（買いまたは売り）で選択します。「注文する」を選択すると、「確認タブ」が表示されます。入力した内容が正しいことを確認し、[確認]をクリックします。

オプション注文をキャンセルする方法

• オプション取引ページ右上のメモアイコンをクリックします。
• 「ポジション一覧」を選択します。
• 損益を確認して「決済」をタップします。
• これで、キャンセルが完了します。

Bybitオプション取引の手数料

Bybitオプション取引では、以下3種類の手数料がかかる可能性があります。

取引手数料

取引手数料は、ポジションを建てるとき、または決済するときにUSDC建てで請求されます。Bybitでは、メイカー注文とテイカー注文は同じ手数料を使用します。

	メイカー手数料率	テイカー手数料率
オプション	0.03%	0.03%

受渡手数料

オプションの権利行使時には、受渡し手数料が発生します。

コール・オプションを例にとって考えてみましょう。原資産価格の受渡し価格が権利行使価格より高い場合、オプションは実行されます。買い手はオプション利益を受け取り、売り手はオプションの売却を義務づけられます。どちらも受渡し手数料が必要です。非権利失効のオプションの場合のみ受渡し手数料が無料です。

	メイカー手数料率
オプション	0.015%

清算手数料

オプション取引では、強制決済の際に追加手数料が発生します。

	強制決済手数料率
オプション	0.2%

Bybitオプション取引に関する質問

モバイルアプリでもBybitオプション取引はできますか？

はい、モバイルアプリでもブラウザと同じようにオプション取引機能が使えるようになっています。

最低額いくらからオプション取引を始めることができますが？

私が確認した中では、9USDC～の証拠金で始めることができます。

オプション取引で大きく稼ぐことはできますか？

はい、オプション取引を使用して、市場の方向性に対して投機することができます。
しかしオプション価格は、原資産である暗号通貨の動き以外の要因にも影響されます。

具体的には、ボラティリティとタイムディケイ（時間経過）の変化により、オプションの価値が左右されるので、価格動向だけでなく、ボラティリティの増減を考慮してポジションを選択するのが良いです。

Bybit（バイビット）オプション取引のまとめ

Bybit（バイビット）のオプション取引について、やり方とトレードの注意点を解説しました。

是非Bybitに口座を開設して現物取引やデリバティブとともに、オプション取引も使ってみてください。