新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行(パンデミック)により、リーマンショックを超えるレベルの世界恐慌が訪れました。
その影響を最も受けたのは株式など伝統的金融市場ですが、ビットコインやゴールドも大いに売られました。
今回ビットコイン大暴落の値動きに焦点をあて、コロナショックがどのように作用し、ビットコインの暴落を引き起こしたのか解説します。
仮想通貨ファンドの投げ売りが懸念されていた
世界一のビットコインFX取引所「BitMEX」CEOのArthur Hayes氏は「From The Desk Of Arthur Hayes」にて、コロナショックこの未曽有の経済危機によって仮想通貨ファンドの投げ売りを懸念、と指摘。(2020年3月11日)
事実その後ビットコインは大いに売られ3/12に8000$から5500$へ、翌日には4200$まで大暴落した。
リーマン以上?ウイルスによるコロナショック到来
ご存知の通り、2020年2月初旬、中国武漢で発生した新型コロナウイルスは春節の中国人旅行者が増えたことで世界中に拡散されました。
一部の国では中国人旅行者全面渡航禁止、コロナ蔓延による経済活動の自粛により、観光業をはじめ経済にブレーキがかかり始め、あらゆる市場が急速に弱気に。
倒産企業も出始め、先進国でも国境封鎖が相次ぐ。
2020年2月21日、ニューヨークダウ平均株価が史上最大下落幅を記録した日を皮切りにコロナショック相場が開幕。
世界経済の不透明さを測るVIX指数は3月16日にリーマンショック(2009年)を超え、コロナショックは近代で最大の金融危機となります。
実は原油相場が暴落をけん引していた?
世界的株価暴落は原油が2020年1月7日をピークに下落が始まったことに起因しているという説もあります。
2月21日の再下落で株価暴落開始。
原油が下がれば米国株は下がり日本株も下がる。コロナはきっかけに過ぎなかったのかも?
コロナショックによるビットコイン暴落原因
①サウジの原油増産による相場乱高下
2020年3月9日、サウジアラビアがコロナウイルスの経済停滞の影響によるOPEC会議で原油減産交渉決裂、増産によりエネルギー市場が暴落。
急激な円高が起きた。
エネルギー関連の債券市場も暴落。
②NY市場混乱によるパニック相場
ダウが歴史的下落を記録し株式市場が軒並み暴落する中、サウジの原油暴落が追い打ちをかけ、史上初のアメリカ全市場にサーキットブレーカー発動。(2020年3月12日)
これはダウ下落率ランキングです。2020年3月16日のNYダウの下落幅は史上最大を更新
- 位 2020年3月16日 -2997ドル ←New!!
- 位 2020年3月12日 -2352ドル
- 位 2020年3月09日 −2013ドル
- 位 2020年3月11日 −1464ドル
- 位 2020年2月27日 −1190ドル
- 位 2018年2月05日 −1175ドル
- 位 2018年2月08日 −1032ドル
- 位 2020年2月24日 −1031ドル
③タピオカブームと不況の奇妙な関連性
これはちょっとオカルトなのですが面白いので紹介します。
- 第一次タピオカブーム→バブル崩壊
- 第二次タピオカブーム→リーマンショック
- 第三次タピオカブーム→コロナショック→NYダウ大暴落
次回もタピオカがブームになった翌年は注意することに越したことはありませんw
④その他
原因を追究していくと関連は山ほどある。例えば、
- 日経平均暴落(25000円→16000円台)で日本銀行が債務超過の危機。
- レバノン政府が3月7日、外貨建て国債12億ドル(約1260億円)の返済が出来ずデフォルト(債務不履行)に。
- ドイツ中央銀行デフォルトの噂(取り付け騒ぎ)
他市場で追証発生による金・BTC換金売り発生
株式市場などでサーキットブレーカーが起きてる最中の送金急増、つまり他市場の追証発生によりビットコイン換金需要急増を確認。
米の投資家ジム・クレイマー氏が生放送中に追証の連絡を受ける画像が印象的だが、このように多くの投資家が追証に追われ、金やBTCをドルに換金したはず。
ビットコインが金融市場で最大級の下落率を記録(2020年3月12日)
「追証」のGoolge検索件数は既にリーマンショックを凌ぐ水準(30)に達した。
世界最大のBTCオプション取引所のDeribitでは、3月12日に歴代の破産者数ランキング700台を遥かに凌ぐ1273となりました。
ダウ株価とビットコインの関連性
NYダウとビットコインを比較すると、株から資金が抜けてるときにBTCも共に下落する傾向があり、今はリスク資産とみなされているかもしれません。
紙幣を増刷することで危機回避?インフレリスク増
ニューヨーク連銀が財務準備金管理の購入および買い戻しに関する声明、5,000億ドル(52兆円)を市場へ投入、というアナウンスが2020年3月13日に流れる。
金融危機回避の名のもとに、ドルを擦りまくる。
今後のこのようなニュースに注目。
最初に紹介した、「紙幣の印刷機が野獣モードに突入する」というBitMEX CEOのシナリオ通り?
経済は破綻しないものの、世界経済は増刷した紙幣によりインフレになる。
ビットコインはこのために生まれた
米大手仮想通貨投資ファンド「グレースケール」の親企業Digital Currency Groupの創業者が、ビットコインの誕生経緯に言及。
BTCのホワイトペーパーが発表された2008年はリーマンショックの真っただ中だった。
BTCの創始者サトシ・ナカモトはBTCの最初のブロックに、
「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks(財務大臣が2度目の銀行救済措置の発動間近)」
と当時の金融危機への国の対応に対して皮肉を込めた文章を刻んだ。
今回のコロナショックでより一層インフレが世界的に進む可能性がある。
その時総数を増やすことができないゴールドやビットコインは相対的に価値上昇することになると思うんだがどうだろう。
まとめ
コロナショックでビットコインが大暴落した理由を解説しました。
また情報が入れば更新したいと思います。
コメント欄