仮想通貨ビットコインの「半減期」は価格チャートに大きな影響があるイベントです。
ビットコインをリンゴに例えると、半減期というのは果樹園のリンゴの木の本数が半分になることです。
リンゴ農家からするとかなりのインパクトがある出来事ですよね。
ビットコインの半減期にうまく乗れば大儲けすることができるんじゃないか?
という方のために、この半減期とはどのような理屈で価格が上がるのか?
過去の半減期前後のビットコイン価格はどうだったのか?他の主要なアルトコインの半減期の例も交えて解説していきます。
また、次回半減期に向けたFXトレードのエントリーポイントや目標価格なども考察してみます。
ビットコインの半減期とは?
英語ではBitcoin Block Reward Halving(ビットコインの報酬半減期)と表現します。
ビットコインには中央管理者がおらず、マイニングという計算処理競争(ブロックチェーンへ取引履歴を記帳する工程)を経て、BTC報酬が与えられるPOW(プルーフオブワーク)という仕組みで発行されます。
半減期とは、今まで一回毎のマイニングで得られていた報酬が半分になってしまうという、あらかじめ設計段階で決まっているものです。
ビットコインのマイニング報酬推移
ビットコインの1回のマイニング報酬は、世に出た当時50BTCでした。
現在のマイニング報酬は、
2012年の半減期で25BTCに、
2016年の半減期で12.5BTCに、
2020年の半減期で6.25BTCとなりました。
次回2024年の半減期で3.125BTCとなります。
ビットコイン半減期のタイミングは決まっている
ビットコインの採掘ペースは1ブロック(ブロックチェーンの最小単位)の生成が約10分になるように難易度調整されています。
ビットコインにはあらかじめ発行上限枚数が2100万枚(2099万9999.9769BTC)と決まっていますが、半減期は21万ブロックが生成された時に訪れると明確決められています。
10分×21万ブロック=約4年なので、ビットコインの半減期はおよそ4年に1回来ることになります。
オリンピックみたいですね。
ただ、これまでの傾向からいくと半減期は4年よりも少し早まる傾向があります。
このように先細りしていくような設計にすることでインフレを防ぎ、通貨の価値を維持していくことができるよう設計されているんですね。
以下はビットコインの総発行量(青線)とマイニング報酬(オレンジ線)の関係を表したグラフです。
インフレが起きにくい設計になっているのが分かります。
それ以降はトランザクション手数料のみがマイナーの利益となります。
「Bitcoin Block Reward Halving Countdown」という、次の半減期までのカウントダウンを表示しているサイトもあるので、定期的にチェックしておくと面白いと思います。
ビットコインの次回半減期は2024年4月頃
ビットコイン次回の半減期は2024年4月頃となります。
前回の半減期は2012年11月28日、2016年7月8日、2020年5月12日でした。
半減期というのは、マイナーの採掘難易度からみた損益分岐点が大幅に上昇する大きなイベントですから、価格に影響が出ないわけがないんですね。
過去のビットコインの半減期前後のチャートの動きを見てみましょう。
2012年と2016年の半減期を分析
ビットコイン初の半減期は2012年11月28日にありましたが、当時ビットコインの認知度は低く、半減期の影響はさほど大きくなかったと言われています。
しかし上画像のチャートを見てわかる通り、半減期後しばらくして急激に高騰しているのが確認できます。
また、2016年7月8日のビットコイン半減期でも同じような価格変動がありました。
半減期2か月前位からじわじわ値を上げ、半減期直前まで価格が300ドル(約3万円)以上上昇しました。半減期後はしばらくヨコヨコし、ゆっくりと高騰していきました。(バブル相場でしたね)
半減期前後には、短期的な目で見ると価格が
という流れになったことがわかります。
長期的な目で見た場合、半減期を経てビットコインの価格帯は一段階上がっています。
マイニング報酬が半分になるということは、新規発行されるビットコインが減るというわけですから、損益分岐点が上がるということです。つまり、需要と供給の関係でビットコインの価格は上がるという考察ができますね。
またこのようなチャート比較もあります。2012~2016年、2016~2020年のBTCチャートが同じパターンであるという比較です。
ビットコイン半減期のチャート推測
半減期の約一年前から価格が上昇
過去のビットコインのチャートの動きを参考にすると、だいたい半減期の一年前から価格が上昇傾向にあることがわかります。
米仮想通貨投資機関のGrayscaleが発表したBTC半減期に関するレポートをまとめると、以下の共通点があることが指摘されました。
半減期14か月前に底打ちする傾向
- 半減期14か月前に底打ちする傾向
- 半減期の直前、2~3か月前から失速
- 半減期後の1~1.5年はBTC価格が上昇傾向
- それ以降は下落する傾向
以上の情報から以下のようなチャートのパターンを見つけたので、まさに2016年前後一年のチャートパターンをなぞるような値動きになることを予想します。
前回の半減期(2016年)の時も、最高値から一年以上グダグダしてたし、やっぱりパターンが似ている。
また、半減期を中心に考えた周期チャートで、天井と底にピタリと規則性があるという説もあり、非常に興味深いシミュレーションになっています。
この仮説によると、ビットコイン半減期後のBTC価格は、
- 2021年5月~12月=最高値1BTC 1250万円(追記:外れましたね)
- 2023年中旬迄=底値1BTC 500万円レンジ(追記:300万円前後のレンジ)
- 2025年5月~12月=最高値1BTC 3900万円
となります。
BTCチャート6連続陰線から考察
2022年3~5月、ビットコイン週足で6週連続陰線、2014年10月以来(BITSTAMP基準でギリギリ成立)、BTC史上二回目のレアな弱気相場となりました。
6連続陰線を付けた2014年9月ごろを振り返ると、半減期から約1年10か月後でした。
2022年4月と比較すると、前回半減期2020/5/12から約1年11か月経っており、半減期サイクルのタイミングが酷似していますが、これは偶然ではないと考えます。
次回半減期は2024年4月頃、ということは過去のパターンで言えば半減期14か月前、2023年2月頃に底打ちするシナリオが考えられます。
買い時は2023年2月か??
信じるかどうかは自由です。
ビットコイン半減期に向けたトレードのエントリー例
- 半減期14か月前に底打ちする傾向
- 半減期の直前、2~3か月前から失速
- 半減期後の1~1.5年はBTC価格が上昇傾向
- それ以降は下落する傾向
以上のことから推測しました。
2020年の答え合わせ
安易な計算ではありますが、2020年5月のビットコイン半減期にこの法則を当てはめると、以下の時系列になりました。
- 2019年3月に底打ち(的中)
- 2020年2月3月から失速(2月的中、3月は上昇開始時期)
- 2020年5月~2021年10月までは上昇(的中)
- 2021年末から下落(的中)
驚異の的中率でした!
2023年からの仮説
- 2023年2月頃に底打ち
- 2024年1~2月から失速
- 2024年4月~2025年5月頃までは上昇
- 2025年9月頃から下落
という時系列になります。
この通りになれば、という仮説ですが、少なくとも、これに似た値動きになる期待値は高いと思いますね。
私も登録し使っているBybitなどでのビットコインFXトレードでいうと、以下のような長期スイングポジションが考えられます。
1年半前~3か月前 | ロング |
---|---|
半減期直後~1年 | ロング |
半減期1.5年後 | ショート |
※低レバレッジ推奨
こういう感じのトレードが期待値が高いのではないかと思います。
主要アルトコインの半減期と動き
半減期が意識される主要なアルトコインとしては、ライトコインやモナコインがあります。(イーサリアムには半減期がありません)
ライトコイン半減期前後の値動き
ライトコインの一回目の半減期は2015年8月26日でした。
マイニング報酬は50LTCから25LTCに半減しましたが、2015年と言えばまだ黎明期、注目も少なく値動きもはっきりしないですね。
2019年8月に起きたライトコインの半減期の後の値動きですが、マイナーによる採算割れによるマイニング撤退?が起こっている可能性があり、半減期からひと月たった今、ライトコインの価格はじわじわと下げています。
必要なハッシュが維持できない場合には価格の下落につながる…ということですかね。
また価格に変化があれば追記しようと思います。
モナコイン半減期前後の値動き
モナコインの1回目の半減期が来たのは2017年7月16日でした。
モナコインに関しては、半減期を迎えた2~3か月後にものすごい暴騰が起きていますが、これが半減期によるものなのか、アルトコインバブルによるものなのか判断しかねます。
しかし半減期後に上昇している点では共通していますね。
次回のMONA(モナコイン)半減期は2020年8月に予定されています。
その他アルトコインの半減期
そのほかにも半減期がある主要アルトコインには以下があります。
- MONA(モナコイン) 2020年8月
- BCH(ビットコインキャッシュ)2020年4月
- LSK(リスク)2019年10月
- ZEC(ジーキャッシュ)2020年10月
BTC半減期まとめ
半減期とは何か、ビットコイン価格に関連してくるのか、そこから考えるトレード戦術についてまとめてみました。
ビットコイン半減期前後のチャートの動きには以下のような共通点が見られました。
- 半減期14か月前に底打ちする傾向
- 半減期の直前、2~3か月前から失速
- 半減期後の1~1.5年はBTC価格が上昇傾向
- それ以降は下落する傾向
次回の半減期にこれが当てはまるかはわかりませんが、このような流れになることを意識したトレードをすれば期待値の高いパフォーマンスを発揮できるのではないでしょうか。
是非参考にしてみてくださいね。
コメント欄
最近始めたばかりで、右も左もわからずこちらのページにたどり着きました、勉強になることばかりで、助かります!
夢があるなと期待する一方で、テザー問題というのが尾を引く可能性について言及する方もいて(ついさっき知りました)、いまいち投資額が増やせずにいます。
この問題、いかがでしょう。買い場このあとに来るといいのですが…
テザー問題は2017年から言われていますね。
最新のニュースではたしか、USDTの裏付け資産はちゃんと担保されているということでした。
万が一、テザーがダメになっても今はUSDCやTUSDなど代わりになるステーブルコインがたくさんあります。たしかにテザーが占めるステーブルコイン市場は7割ほどで大きいですが、テザーが原因で暴落したとしても一時的なものになると考えます。
ビットコインの希少価値が棄損されるわけではないのでそこまで重要だと思いません。
いつも良いお話をありがとうございます。
自分も今後の値動きについては管理人様の想定しておられるような展開に
なるのではないかと考えております。
しかしながら今回の上昇については
大手企業や新規個人勢の参入、さらにストックフロー仮説が
多くの方に認知された事により、
上昇期間の長さやその最高地点、およびピーク到達後の動向が
前回、前々回の半減期とは大幅に変化する可能性も考えられますので
その辺り管理人様のご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。
>多くの方に認知された事により、
上昇期間の長さやその最高地点、およびピーク到達後の動向が
前回、前々回の半減期とは大幅に変化する可能性も考えられます
その通りです、鋭い指摘ですね。
私も多くのトレーダーにこのサイクルが認知されたことにより、前回の通りにはいかないと考えています。
2020年5月に半減期を迎えたビットコインですが、2パターンの展開を考えています。
①5月より前倒しでピークを付ける
②想定の天井価格1250万円あたりを大きく超えてオーバーシュートする。(3000万円くらい?)
どちらにせよ、決めつけてかからないことが相場では重要ですね!
返信ありがとうございます。
具体的には前回、前々回の様な展開
(一気に上昇し、ピークから一転急降下)の他、
今後の仮想通貨の普及や長期的な価格上昇が現在の価格に織り込まれてしまい。
・想定最高値到達後更に上昇。
・ピーク到達後その水準付近を維持(急降下しない)。
といった展開も想定しておくべきと考えております。
その際の対策としては
現物やロングポジションを多めに用意しておき、
一定の上昇毎に少しずつ決済する。
(想定ピークをこえる展開でも弾切れにならないようにペース配分)
ショートについては明らかな下降トレンドが見られるまでポジション取得を
遅らせる。
(特にショートについては、急いでポジションを取ってしまうと。
・そこから大幅な上げが入って爆死。
・急降下が入らず手数料負けして大出血。
といった惨事になりかねませんので慎重を要すると考えております。)
等と考えてみましたが当方浅学の為至らぬ点、策の不備など
ご指摘頂ければ幸いです。
そのような考えで特に問題はないと思います。
一つ付け加えるならば、すでに生活に足る利益を確保できているのか、今から種銭から増やしていきたいのか、によって取っていく戦略が大きく変わってくるということです。
私のようにある程度の利益がある状態であれば、その戦略で問題ありません。
今から少額から勝負していきたいという人は、もっとリスクを取って(リスクを金に換えて)いく戦略になるでしょうね。
攻守のバランス感覚を崩さないように意識しましょう!
5月より前倒しで想定されたピーク(1250万)をつけて、個人投資家がショートに回ったところを大口がかち上げてオーバーシュート、みたいな複合パターンもありそうですね
ちなみに、デジタル人民元の影響についてはどう考えられていますか?
デジタル人民元は、むしろビットコイン価格上昇にプラスに働きます。
現金(タンス預金)ではなくインターネット上に資金が流れますからね。
いつも良いお話をありがとうございます。
半減期から始まる一連の値上がりのピーク時期はいつかという点について
2012年の際は半減から約一年、2016年は約一年半でピークをつけた事から
今年についても後半のいずれかの時期にという意見が多数見られますが。
重要なのは半減からの期間ではなく、「ブームが到来した年の12月」という点が
ではないかと思い今回投稿させて頂きました。
年末に入り、各プレイヤーが
決算的な理由(そろそろ今年の収支を確定させたい)
心理的な理由(そろそろクリスマスや年末も近いので終わりにしよう)
で現物やポジションを売り、
さらにそれが他のプレイヤーの売りを呼んでトレンドが転換するという事では
ないか。
また相応の根拠
(元々複数年の保有を予定してポジションを取っている、
もしくは昨年末のように来年上がる可能性が極めて高い等)がない限り
年末年始の休み中に激変するリスクやfx金利負担を負ってまで買いポジションを
積極的に翌年に持ち越す人は少ないのではないかと愚考した次第です。
以上単なる推測であり見直して少し恥ずかしくなりましたが、
管理人様のご意見など頂ければ幸いです。