ボラティリティの高いビットコインFXで、不安要素といえば追証(おいしょう)の存在ですよね。
追証というのは平たく言えば借金になるということです。
相場が急変動したときに、証拠金以上の損失が起きないようにロスカットという強制決済が行われるわけですが、値動きの勢いが強いとスリッページ(価格滑り)がおき、マイナスの損失が生まれたときに発生するものですね。
私が見た中ではビットフライヤーのLightning FXで追証2500万円の人がいました…
そんな額払えるわけがないのでいきなり2500万円の借金を抱えることになります。
ですが、海外ビットコインFXでは追証は一切発生しないゼロカットシステムとなっています。
最大で100倍ものハイレバレッジを掛けられるのに、どうして追証がないのでしょう。
もしかして何か裏があるのでは…
そんな方のために海外ビットコインFXにはなぜ追証(借金)がないのか?証拠金維持率やノミ行為について詳しく解説します。
関連記事 追証のないBybit(バイビット)の使い方はこちらの記事で!.
追証とは?
ビットコインFXのような信用取引では、証拠金として入金した額を担保に実際より大きなポジションを借りるので、定められた証拠金(保証金)率を維持する必要があります。
証拠金維持率を下回ると基本的にロスカット(強制決済)されるようになっています。
ロングorショートポジションの含み損や、証拠金(BTC)の値下がりなどにより、証拠金維持率が一定の比率を下回った場合、自動的にロスカット(強制決済)が発生し損失を確定させます。
そのロスカットが追いつかないほど相場が急変動(暴落or暴騰)した時、ロスカットが追いつかず価格滑り(スリッページ)がおきることがあります。
その場合、強制決済されたポジションの損失が証拠金よりも多くなり、残高がマイナスとなります。
これが追加保証金、いわゆる「追証」です。
一度ロスカットが起きてしまうと相場価格が元に戻ろうとも発生した追証は自然に減少・解消することはないので注意が必要です。
ロスカット執行の証拠金維持率は取引所によって違う
ちなみに、主要な取引所のポジション保持のために必要な証拠金維持率と最大レバレッジは以下となります。
取引所名 | 最大レバ | 証拠金維持率 |
---|---|---|
Bybit | 100倍 | 0.5% |
OKX | 100倍 | 0.5% |
FTX | 100倍 | 0.5% |
BitMEX | 100倍 | 0.5% |
GMOコイン | 10倍 | 75% |
bitFlyer | 15倍 | 50% |
DMMビットコイン | 4倍 | 80% |
Zaif | 7.7倍 | 30% |
BitMEXの証拠金維持率は0.5%なので、簡単に言うと口座残高がほぼゼロになるまでポジションを保有していられる(=値幅に耐えることが出来る)ということになります。
DMMビットコインは80%ということなので、通常は、ロスカットが起きてもいくらか残高が口座に残っている状態で損失を留めることができるということになります。
悲惨な追証体験談
ネットで見つけたビットコインFXで追証となってしまった人の画像をいくつかご紹介します。
ビットフライヤーFXの追証
ビットコインFXで日次マイナス1600万円、
1BTC=172万のときに30枚ロング時、暴落が起き125万で強制ロスカットで追証発生とのこと。
証拠金はマイナス450万円となってしまっています。
証拠金50%切ったら自動で切ってくれるはずのビットフライヤーFXですが、相場が急変した時にはこのように追証が発生します。
3日以内に支払えとのことですが、果たして払えたのでしょうか…。
GMOコインの追証
早朝に暴落が起き、BTC価格が20万幅の下げを記録したそうです。そのとき20万の追証が発生しています。
必要証拠金維持率が75%であるGMOコインでさえ追証が発生してしまいます。
Zaif(ザイフ)の追証
Zaif(ザイフ)のビットコインFXはサーバー落ちからのチャート崩壊・ロスカット連鎖で悲惨なエピソードが数多くあります。
この方もきっとサーバーダウンからのロスカットに巻き込まれたうちの一人でしょう…。
暴落により720万円の追証が発生しています。
ビットコインFXに追証が発生しない仕組みは?ADL等
冒頭でも述べましたが、BitMEXなど海外ビットコインFX取引所では一切発生しません。
ネット上で過去の出来事を調べ上げましたので間違いないです。
レバレッジ100倍ということは、暴落or暴騰した時の損益発生の速度も100倍ということです。それなのに一切追証がないとは、何か悪いことをしているのではないか…、と疑ってしまっても不思議ではないですね。
でも以下の理由を聞いたらあなたは海外取引所に追証がないことに納得できるかもしれません。
海外取引所の独自レバレッジ自動解消(ADL)対策
例えば、トレーダーがより大きなポジションを積み上げると、相場が急変した時BitMEXの他のトレーダーに多額の損失をもたらす可能性が出てきます。
巨大なポジションをロスカットで完全に清算できない場合、他のトレーダーがレバレッジ解消システム(ADL)に直面し、大口ポジションの証拠金必要額を増やすことで追証を起こすことなく辻褄合わせで対処する場合があります。
これは「Socialized Loss, Clawback(損失の社会化)」システムと呼ばれます。
BitMEXではこれを防ぐため、全取引アカウントにリスク制限を設け、(例えば100BTC以上の大きなポジションを持つ場合レバ100倍ではできない)、保険基金を当てるなどしてトレーダーのポジションのレバレッジ自動解消(ADL)が可能な限りおきないように設計されています。
価格急変時、トレーダーの清算注文が自動レバレッジ解消システム(ADL)に引き継がれる前に、以下で説明する保険基金が充てられます。
BitMEXには追証補填用の保険基金がある
BitMEXは、相場が大変動した時にも追証が発生しないように、積立基金(プール金)があり、この額は誰でもBitMEXで確認することが出来ます。
トレード画面の「契約」→「保険基金」のページから確認することが出来ます。
保険基金を使用して取引ポジションの追証を防いでいると明記されています。
また、ロスカット価格が市場価格とBitMEX独自価格で剥離が起きている場合にユーザーが不利な価格で約定しないようにする補填にも使われるということです。
今のところ1万3000BTCほどプールされていますが現在はもっと増えています。
たしかにこれだけのお金を準備しているのなら、ちょっとくらい追証が起きても補填できるのかもしれません。
海外大手は板が厚いのでスリッページが起きにくい
追証が発生するそもそもの原因として、板(オーダーブック)に並んでいる反対売買注文が少なくスカスカだった場合に、より不利な価格で決済がされることになります。
このとき損失が証拠金維持率を突き抜けて残高マイナスまで行ってしまうことになります。(GMOコインやDMMビットコインなど板取引でない場合は除く)
つまり取引所の取引量、もっと言えばオーダーブックに並んでいる指値注文のボリュームによって追証の発生しにくさが変わってきます。
その点、成行注文(テイカー手数料)よりも指値注文(メイカー手数料)の方が圧倒的に安く設定されているので、自然と板が厚くなるよう考えられています。
これだけ取引板に厚みがあれば価格滑りも最も起きにくい取引所と言って過言ではないでしょう。
海外は相対取引だから追証がない?A-BookとB-Bookについて
金融業界では合法的にノミ業者・ノミ屋という業態が存在しています。
ノミ業者の取引形態の取引所をB-Book、OTC方式、DD方式ともいいます。
市場に対してオーダーの仲介を行う通常の板取引とは違い、取引所の内部で反対取引を行い(つまり注文を相殺してユーザーのオーダーを飲み)、実際には市場に対してオーダーの売買が発生しないものをいいます。
ユーザーVS取引所、という構図になります。
※競馬などギャンブルのノミ屋は(ブックメーカー)と呼ばれますが、日本では法律上違法となります。
B-Bookに対して、実際にユーザーの注文をリアルタイムに仲介し市場に反映させる取引所のことをA-Book(通常板取引業者)、もしくはNDD方式といいます。
ビットコイン市場にはそもそも川伝統的金融商品のようなインターバンクが存在しないため、区分が厳密にいうと違うわけですが、イナゴフライヤー(いなごFlyer)に表示される取引所は市場に影響を与える板取引形式ということでA-Book、市場に出来高が出てこないのでイナゴフライヤーに登場しない取引所がB-Bookと見なすことができます。
※便宜上こう書いてます
日本の取引所はノミ屋が多い?
実は日本の仮想通貨FXの取引所は半数以上がノミ屋(B-Book)で、為替FXなどではA-BookよりB-Bookの業者の方が圧倒的に多いです。
仮想通貨界隈では、取引所ではなく「販売所」という呼び名で区別されています。
代表的なところでは、GMOコイン(※取引所も出来たので複合型)、DMMビットコインが典型的なノミ業者(B-Book)。
ビットフライヤーは、ビットコインFXは板取引(A-Bookに近い)で、現物販売はノミ形式(B-Book)です。
海外では仮想通貨FXのCryptoGTなんかがノミ行為業者ですね。
海外ビットコインFXは板取引(A-book)が主流
海外ビットコインFXはどうなのかというと、BitMEXやBybit、FTX、OKExなど主要な取引所はすべて板取引業者(A-Book)です。
日本の販売所は、胴元である取引所とユーザーとの相対取引なので根本的に利益相反の関係になっており、ビジネスモデルが違うのですが違法ではありません。
ノミ屋(B-Book)だから追証が発生しないということでもない
日本の取引所に多いノミ屋方式(B-Book)ですが、だから帆客保護につながっているかというと、追証が発生しないということはないです。
GMOコインやDMMビットコインを見てもらえばわかりますが、相場の大変動時に追証は発生しています。利益や損失を飲んでくれるものが「ノミ屋」本来のビジネスモデルのはずですが、損失超過分についてはユーザー負担ということになっています。
CryptoGTは追証なしを明言しているので超過損失も飲んでくれるのでしょうね。
※B-Bookの海外業者はそもそも法的に過損失分を回収することが困難だから追証なしにせざるを得ないとも言われています。
追証がない日本の取引所は?
さて、海外取引所のように、追証がないビットコインFXができる日本の取引所はどこがあるか知っていますか?
実はありません!
日本の仮想通貨取引所は全て追証があります。
追証がない取引所は日本の技術力では作れない…という訳ではなく、法律の関係で何故かユーザーが保護されていないのです。
胴元に都合がいいルールになっていると考えて差し支えありません。
bitbank tradeは唯一追証がない国内取引所(取次が海外取引所okexだった為)だったのですが、人気の無さから閉鎖になりました…。
追証を防ぐために気をつけるポイント
ビットコインFXのボラティリティとレバレッジの掛け算は、大きなリターンをもたらす反面、損失にも反映されるものです。
いくらのレバレッジが掛かっているのか?証拠金維持率は何%か?
それに見合ったリスクを想定しておかなければなりません。
そこで重要なのは、追証やロスカットが発生しないように先手を打つ戦略です。
最大レバレッジギリギリのトレードをしない
例えばBybitやOKEXなら100倍レバレッジを実現できますが、一万円の口座残高(証拠金)に対して100万円のフルレバレッジのトレードをしたらすぐにロスカットされてスッカラカンになってしまうでしょう。
そうならないように、一万円の証拠金だったら3~5万円(レバレッジ3~5倍程度)にしてコツコツ増やすとかリスク管理をしっかり考えましょう。
よほど自信のある局面のみ、なくなってもそこまで痛くない証拠金を入れている状態でハイレバレッジでかけてみるのはいいと思いますよ。
作戦次第です。
損切り注文を予め入れておくか想定しておく
ロスカットになってしまう理由として、損切が遅くなってしまい損失を確定したくないという心理が働いてロスカットされるまで粘ってしまうということがあります。
そうならないように、オーダーを入れたときには同時に、
損切りはどの価格帯で出すか?を考えておく必要があります。
損切注文をエントリー時にすでに入れておくのもかなり良い戦略です。
損切注文である「ストップ指値注文(逆指値)」利確の注文である「利食い注文」の原理を理解して使いこなせるようになりましょう。
以下の記事で詳しく説しています。
海外ビットコインの追証事情まとめ
海外ビットコインFX取引所には追証(借金)がない?証拠金維持率やノミ行為について、というテーマで記事を書いてみましたがいかがでしたか?
以下に取引所の追証の有り無し、必要な証拠金維持率をまとめます。
取引所名 | 追証 | 証拠金維持率 |
---|---|---|
Bybit | ナシ | 0.5% |
OKX | ナシ | 0.5% |
FTX | ナシ | 0.5% |
BitMEX | ナシ | 0.5% |
GMOコイン | アリ | 75% |
bitFlyer | アリ | 50% |
DMMビットコイン | アリ | 80% |
Zaif | アリ | 30% |
追証は怖いものですが、海外取引所では発生しないので安心してトレードすることができるということがわかったと思います。
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