Bybit(バイビット)やBitMEXには、マーク価格(mark price)とインデックス価格(index price)という二つの価格が存在します。
最も重要なポイントとしては、Bybitのロスカットや清算はマーク価格の方を基準に執行されます。では、インデックス価格は何に使うのでしょうか。
マーク価格とインデックス価格はだいたい同じですが、相場が大きく動いているときには剥離が大きくなっていたりもしますね。
実は、マーク価格とインデックス価格の違いを知らなければ、予想していたよりも早くロスカットされてしまった!というような事態になりかねません。
この記事では、Bybitで利用されるマーク価格とインデックス価格との違いを中心に、どのように価格が算出されているのかも解説していきます。
関連記事 Bybit(バイビット)の基本的な使い方はこちらでまとめています。
Bybitで使われている価格の種類
Bybitで使われている価格は5種類あります。
意味が分かれば難しいことはありません。
- 直近価格(Last Price)
- インデックス価格(Index Price)
- マーク価格(Mark Price)
- 参入価格(Entry Price)
- 清算価格(Liquidation Price)
があります。
それぞれの価格について説明します。
直近価格(Last Price)
一番目にするBTC価格は直近価格で表示されています、オーダーブックの中央に表示されていますね。
単純にBybitで今BTCがいくらの値で取引されたかということです。
どの取引所でもこの直近価格が表示されており、取引価格としての基本単位となっていますね。
参入価格(Entry Price)
決済注文を出す際は、参入価格と直近価格を基準に設定するようにしてください。
ポジション照会にある「未実現損益」と「清算価格」に関しては普通は参入価格で算出されるものなのですが、Bybitはマーク価格で計算されるので注意。
清算価格(強制決済価格)
証拠金とレバレッジがかかった注文サイズによって清算価格は決定されます。
清算価格は、インデックス価格ではなくマーク価格が基準になっています。
証拠金に対してポジションサイズを大きくすればするほどレバレッジも相対的に大きくなり、清算価格が現在値に近付くようになります。
インデックス価格(Index Price)
Bybitは先物専門の取引所なので、BTC現物の基準参照価格としてインデックス価格があります。
インデックス価格参照元は厳密にいえば、海外の仮想通貨取引所で規模も比較的大きいBitstamp/Coinbase/binance/itbit/poloniex/bitrrex/gemini/houbi/kraken 9取引所の現在価格を取引高によって重みづけし算出されるBTC現物の基準平均価格です。
※アルトコイン先物は参照している取引所が多少違います。
以前は参照取引所は3つほどだったのですが、より強い価格操作防止対策として、9つに増やしたようです。
オーダーブック(売買板)の画像の部分に記載されている価格です。
マウスをカーソルさせると「インデックス価格」と表示されます。
チャート上では「BXBT」という名称で表示されています。
「.BXBT」と表示されたものがインデックス価格で、BitstampとGDAXとKrakenの取引価格を1分ごとに算出しています。
紫のチャートがインデックス価格です。
インデックス価格は、Bybitの流動性リスクで不要なロスカットが起きないように、マーク価格を算出する時にも利用されます。
マーク価格(Mark Price)
含み損益やレバレッジと証拠金の計算、ロスカット執行の清算価格を決める基準ともなる価格です。
マーク価格は清算価格と未実現損益のみに影響する
マーク価格は、清算価格と未実現損益のみに影響し、実現損益には影響しないとBybitの公式サイトに明記されています。
売買板(オーダーブック)に並んでいるオーダーから消費してロスカットは執行されるので、ロスカットに関してはマーク価格と直近価格との剥離が起きている場合、清算価格がずれる場合もあります。
このシステムがあることで、市場操作や流動性不足、マーク価格がインデックス価格に比べて理由無く上下する場合に、不必要な清算を自動的に防ぐことができます。
例えば、数秒の間に市場価格が急激に動いてもマーク価格は滑らかな価格変動になります。
板が薄く、更に信用取引だった場合は大口の投資家の大きな成行売買で簡単に相場操縦が発生してしまいます。
こういった問題を解決するのがマーク価格というわけですね。
マーク価格の計算方法
知らなくてもそこまで問題はないですが、参考として計算方法を簡単に載せておきます。
XBT/USDのマーク価格の計算方法は、資金調達率(Funding手数料)とインデックス価格を掛け合わせて自動算出されます。
資金調達基準率 = 資金調達率 * (資金調達までの期間 / 資金調達間隔)
公正価格 = インデックス価格 * (1 + 資金調達基準率)
Funding手数料はインデックス価格との乖離を無くそうとする方向に手数料を調整しているので、結果的にマーク価格は、直近価格とインデックス価格の中間くらいになることが多いですね。
じゃあ資金調達率(Funding手数料)はどうやって算出されているのかというと…詳しい計算式などに興味がある方はBybitの公式サイトで確認してくださいね。
関連記事 Bybitスマホアプリの使い方まとめ。
Bybitの価格に関するまとめ
Bybitのマーク価格・インデックス価格・参入価格・清算価格について解説してみましたが、いかがでしたか?
マーク価格とインデックス価格の違いについては少々ややこしいですが、どういうものか理解しておくとトレードするときの微妙な駆け引きに役立つことがあります。
とはいっても実際に見ているのはいつも直近価格ですけどねw
インデックス価格が先行して上がっている場合などに、チャートがどう動くのか参考にしてみるのもいいと思います。
ロスカットされないように清算価格に気を付けてトレードを楽しみましょう。
コメント欄
直近価格(黄土色の旗)と、どの左隣にある大きく表示された価格の違いは何でしょうか?
直近価格(黄土色の旗)はマーク価格と言って、Bybitが他の取引所や金利などを参照して算出している「市場の適正な現在価格」を表しています。
その左隣に表示されているのは、Bybitのオーダーブックで実際に約定した直近価格を表しています。
清算価格などに使われる基準価格はマーク価格の方です。
参考「公正価格マーキングとは?(Bybit公式サイト)」