商品先物や為替をはじめ、ビットコインFXでも十分に機能し使うことができるチャートパターン「ヘッドアンドショルダーズ(三尊・逆三尊)」を使いこなすFXトレード手法を解説します。
三尊・逆三尊(ヘッド&ショルダー)は数あるテクニカルチャートパターンの中でも、判別し易さから意識されることが多く、最も強力なトレンド反転チャートパターンで高い勝率であることが知られています。
三尊・逆三尊を使う方法、見分けるために重要なネックラインの考え方や注意点をまとめてみました。
ヘッドアンドショルダーの考え方はあらゆるチャートパターンの基礎となっています。利益を出しやすいテクニカルパターンなのでぜひ身に着けてください。
ヘッドアンドショルダー(三尊・逆三尊)とは
ヘッドアンドショルダー(Head and Shoulder)とは、トレンドが終わるときに現れるトレンド転換(反転)を示唆する代表的なテクニカル指標(チャートパターン)です。和名では三尊天井・逆三尊と呼ばれます。
パターンの形が人の頭と肩のシルエットに似ているのでそう呼ばれています、日本名は釈迦三尊像が並んでいることに似ていることが由来です。そのまんまですね。
色んなテクニカルパターンの中でも逆張りに威力を発揮するわかりやすい指標なので、多くの投資家が三尊・逆三尊を意識しています。
ヘッドアンドショルダーはトレンド相場で効果を発揮
この三尊(さんぞん)・逆三尊(ぎゃくさんぞん)はトレンド転換の指標なので、当然ながらトレンドがはっきりしている相場で力を発揮します。
レンジ相場などトレンドがはっきりしない時には有効ではないので無理やり探す必要はないです。
ヘッドアンドショルダーズ・トップ(三尊)
三尊(ヘッドアンドショルダートップ)はこのような形の下落方向のチャートパターンです。
上昇トレンドから下落トレンド転換のシグナル
上昇トレンドが終わり、反転下落することを示す指標になります。
ヘッドアンドショルダーは、頭(ヘッド)と肩(ショルダー)で構成されているのでこのように呼びます。
日本では、釈迦三尊像が並んでいるように見えるので「三尊(さんぞん)、三尊天井」と呼ばれます。神々しい名前ですね。
右の画像のように、ネックラインと利確ポイントは等距離の位置が目安といわれています。
三尊の成立を見てショートエントリーするか判断材料にします。
リバーサル・ヘッドアンドショルダーズ/ボトム(逆三尊)
ヘッドアンドショルダーボトム(逆三尊、リバーサル・ヘッド&ショルダーズ)は、上図のような上昇方向のチャートパターンです。
下落トレンドから上昇トレンド転換のシグナル
下降トレンドが終わり、反転上昇する前兆としてみることができる指標です。
日本名称では「三尊(さんぞん)」が逆さまになっているので「逆三尊」です。そのまんまですね。
似たチャートパターンにトリプルトップ(ボトム)、ダブルトップ(ボトム)などあります。
逆三尊の成立を見てロングエントリーするか判断材料にします。
ヘッドアンドショルダーの見つけ方はネックライン
ヘッドとショルダーの間の「首」のように見えることから、「ネックライン」と呼ばれています。
ネックラインをまず確認する
三尊をチャートの中に見つけた時、ネックラインの位置がどこにあるのかまず確認しましょう。
左右どちらのネックラインも強いレジンスタンス・サポートラインとなっているからです。
例えば、ネックラインで跳ね返されヘッド部分を超えてしまうと三尊・逆三尊を否定することになり、より強いトレンド継続の兆候となります。
ヘッド&ショルダーは斜め(右肩上がり・右肩下がり)も有効
ヘッドアンドショルダーのネックラインは、右肩上がり・右肩下がりの斜めでも、ネックラインにラインを引けるようであれば有効です。
以下の図のように、ネックライン上でのチャートの動きが三尊・逆三尊成立の判断になるのでエントリーする時にはこのネックラインを割るか守るかを注視しましょう。
ただ、角度が急すぎるとその分チャートパターンとして弱くなるので成立確率が下がります。
ネックラインを割らない場合は否定パターン
ネックラインを割らなかった場合は、ヘッド&ショルダーの否定ということになりトレンド継続の順張りシグナルとなります。(もしくはレンジ相場)
ヘッドアンドショルダーは頻繁に起きる
以下では例としてビットコイン(BTCUSD)の日足チャートを挙げていますが、これだけの頻度で見つけることができます。
いかにヘッドアンドショルダーのチャートパターンが有用かわかりますね。
ヘッドアンドショルダーのエントリー/利確ポイント
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)を活用したトレード手法をご紹介します。
比較的発見しやすいテクニカル指標なので多くのトレーダーが意識し、効力のある指標なので恰好のチャンスとなります。
実際、他のテクニカルがわからなくても、日足などの長い時間足で三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)が出現したときだけトレードしたとしても十分勝てると言われているくらいです。
ここでは三尊を例に説明しますが、逆三尊でも反転しているだけで全く同じです。
三尊・逆三尊のエントリーポイントは成立後が〇
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)の最高のエントリーポイントは、三尊・逆三尊が成立した直後の以下の画像のポイントです。
直近のネックラインを下回った直後ともいえますね、このネックラインのちょい下くらいに指値注文でショートを仕掛けておくと利益が出やすくなります。
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)は相場を左右する力がとても強いチャートパターンなので、一度直近のネックラインを割ってしまえば、そのラインはサポートからレジスタンスに変わります。
インするタイミングがバッチリならこれほど安心して持てるポジションはないですね。
【最後のネックラインを突破できるかできないかが重要】
最後のこのネックラインを突破できるかどうかというのは多くのトレーダーが注目するところなので、上を目指していきたい投資家は、このラインを割らせまいと強い抵抗が働きます。
下目線のトレーダーはネックラインを割らせて下に掘っていきたいので全力で落としてくるかもしれません。
一番おいしいのは、その攻防を見届けてから、勝者の側につくことです。
エントリーするタイミングは早すぎないようにしましょう。
三尊・逆三尊の利確(利食い)ポイントの決めかた
ネックラインを突破できると、以下の図のようにトップとネックラインの同じ値幅がでるといわれています。
ネックラインを超えたところで成行注文でエントリーしたとして、トップとネックラインの同値幅の所に決済注文を指値しておきましょう。
相場状況によってはそこまでボラティリティが出ないかもしれない、大衆の利確ポイントの一歩手前が無難、と思った時にはちょっと浅めに利確指値を仕掛けておきます。
【斜めの三尊・逆三尊は値幅が少なくなる傾向アリ】
ネックラインが斜めになっているパターンも三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)として成立していると見ますが、ちょっと見つけにくいかもしれません。
しかも、水平ラインで成立している三尊・逆三尊よりも値幅が大きくならない傾向があるので浅めに利確ポイントを設定しましょう。
大衆が意識するポイントこそ狙い目ということです。
ヘッドアンドショルダーも長い時間足でダマシが少ない
他のテクニカル指標もそうなのですが、ヘッドアンドショルダーも長い時間足の方が、意識するトレーダーも多くなるのでその分機能します。
短い時間足だとダマシ(否定パターン)が頻発するので、日足レベルでのヘッドアンドショルダーを見つけた場合にしっかりエントリーできるようにしたいですね。
ヘッドアンドショルダー(三尊)を他テクニカル指標と併用
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)はそれ単独で使ってもトレードで勝てるほど強力なテクニカル指標ではあるのですが、他の指標と組み合わせて使うことでより確度の高いテクニカル分析をすることができます。
フィボナッチ・リトレースメントで押し目を予測
例えばフィボナッチ・リトレースメントは、フィボナッチ比率を自動で表示してくれるツールです。
フィボナッチ・リトレースメントをつかえば次のネックラインの形成ポイントの目星をつけることができるので、フィボナッチが示すポイントにいくつか指値注文を分散して仕掛けて置くとかすればより効率の良いエントリーや利確ができるかもしれません。
フィボナッチリトレースメントの使い方は以下の記事にて。
チャネルラインでサポートラインを確認
チャネルというのは、トレンドラインと平行に描画した二本の線に挟まれたゾーンの古都です。
ヘッドアンドショルダーがチャネル内の上限、もしくは下限に接しているのであれば有力なサポートになります。
MACDでトレンドを把握
MACD(マックディー)はトレンドの転換点を示すオシレーター系の指標なので、ゴールデンクロス・デッドクロスが起きたときに三尊が形成されていれば的中率もアップしますね。
エリオット波動の波を読む
そのほか、エリオット波動理論の中でも三尊(ヘッドアンドショルダー)が重要な転換点として機能するので合わせて理解しておくと分析に役立ちます。
推進派である3波・5派・c波の反転ポイントに三尊が確認出来たら大きな値幅を期待できます。
TradingViewで三尊・逆三尊テクニカルツールを使う方法
今回はTradingViewを例に説明します。ログインしたらトレード画面のチャートを拡大しましょう。
サイドバーに「~パターン」のテクニカルツールがあるのでクリック、「ヘッド&ショルダー」を選択しましょう。
「左肩」→「ヘッド」→「右肩」という順番に、ポイントを打っていきます。
左端のポイントから順番に三角を作る感じでジグザグに打っていきます。計7つです。
間違えずにポイントを付けていくとこのように三尊(ヘッドアンドショルダー)が完成します。
ラインを消したり、引き直したりしたいときは、引いたラインの右上に現れるこのアイコンもしくは左サイドバー最下部のゴミ箱アイコンをクリックして消します。
ヘッドアンドショルダーのインジケーター
MT4では「PricePatterns.ex4」というヘッドアンドショルダー含めウェッジなどチャートパターンを自動編出してくれるインジケーターがあります。
TradingViewにも少しインジケーターがありましたがイマイチの精度だったのでここでは割愛します。
まあ、ヘッドアンドショルダーは目視でも見つけすいチャートパターンなので一目で判別できるようになりましょう。
BOTのエントリーに使う場合にはラインブレイクなどをアラートにした方がよさそうです。
ヘッドアンドショルダーのまとめ
FXで三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)を使う方法や、見分けるために重要なネックラインの考え方、注意点などまとめてみましたがいかがでしたか?
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)は、形成されるまで時間がかかるので、発見したとき焦ってエントリーしたくなりますが、ポイントにやってくるまでしっかり待つことが、ダマシにひっかからないために重要だということがわかりましたね。
TradingViewではこのような便利なテクニカルツールが使えるので、トレードの勝率を高める為にも利用できるものは利用し倒していきましょう。
なお、三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)を意識しなくても見つけられるようになると各段にチャンスに乗ってトレードしやすくなります。
チャートを読む力を鍛えるためにも、毎日チャートを眺めて、どこに三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)があるのか、フィボナッチは?エリオット波動は?と分析してみることをお勧めします。
コメント欄
はじめまして。
いつも拝見させて頂いております。
他のどのサイトよりわかり易く、とても参考になります。
まだBitmexでトレードを始めたばかりですが、一つ質問お願いします。
三尊についてですが、これはどの時間足で見るのがいいのでしょうか?
例として出されている画像は長い時間足に見えます。
三尊形成途中にも相場の上下(ギザギザ)がたくさんあって、それもまた三尊を作っているのでは?と思うとわからなくなってしまいます。
どのように考えればいいのでしょうか?
自分はスイングトレードでやっていこうと思っています。
お手数おかけ致しますがよろしくお願い致します。
長い時間軸で出現するほど信頼度と動く値幅が大きい傾向があります。
例えば、5分足より日足で出現する方が圧倒的に機能します。(見ている人・意識している人が多くなるからです)
また、一つの時間軸で出現する物は他の時間軸と混同しません。日足なら日足、一時間足なら一時間足でのみ考えます。
もちろん、日足三尊のなかに一時間足三尊が重なった場合、信頼度は高くなります。
スイングトレードなら、一時間足以上の時間足での三尊・逆三尊のみをシグナルにするといいと思います。
御武運を!