今回は有名なインジケーター「ボリンジャーバンド(bollinger band)」の正しい設定方法、FXトレードで有用な見方・使い方を併せて解説したいと思います。
ボリンジャーバンドって、チャートが上下帯に触れたら逆張りするってやつだよね?
それはボリンジャーバンドのいち機能でしかないんじゃ。
本来の使い方を知れば120%の力を引き出すことができるぞ。
ボリンジャーバンドの基本的な設定方法・使い方やエントリーと利確ポイントを判断する方法はトレードで非常に役立つので是非覚えてください。
ボリンジャーバンド(bollinger band)とは
ボリンジャーバンド(英語名bollinger band)は、ジョン・ボリンジャー氏によって1980年代に発案された指標で、統計学の標準偏差の考え方を移動平均線に取り入れたものです。インジ名はBBと略されることが多いです。
移動平均線(黄緑線)の上下に標準偏差ラインを引きこれが帯を形成します。
上のチャート画像では、内側の上下ラインが±1σ(濃い青)、その外側にある上下ラインが±2σ(薄い青)です、σはシグマと読みます。
ボリンジャーバンドの間で価格が推移する統計学的な確率は、
- 1次標準偏差、1σ=約68.3%
- 2次標準偏差、2σ=約95.5%(表示する場合)
- 3次標準偏差、3σ=約99.7%(表示する場合)
となっており、価格変動がこの確率中で推移するという考え方で相場を判断するインジケーターとなっています。
ボラティリティが高いトレンド相場では2本のバンド幅は広がり(エクスパンション)、ボラティリティが低いレンジ相場ではバンド幅は狭まります(スクイーズ)。
ボリンジャーバンドの逆張りと順張り戦略
まずは、ボリンジャーバンドの一般的な使い方である順張りと逆張りの考え方を紹介します。
逆張り手法(レンジ相場)
ボリンジャーバンドの下弦を下値支持線・上弦を上値抵抗線と考え、
ビットコイン価格が下値支持線(下弦)にきた時に買いポイント、上値抵抗線(上弦)にきた時に売りポイントとみる判断方法です。
ボリンジャーバンドの使い方として一番有名なのがこの方法なのではないでしょうか。
しかし実はこのボリンジャーバンドを開発したジョンポリンジャーは「逆張りで使うべきではない」と言っています。
逆張り手法が成功しやすいのは、相場が静かなレンジ相場時のみ。
相場が荒い強いトレンドが発生している時には失敗しやすいという欠点があります。
順張り手法(トレンド相場)
±2~±3σ(一番外側のバンド)をぶち抜いたままビットコイン価格が推移した時、トレンドが発生しトレンド相場に移行した可能性があると判断します。
この場合逆張り手法と考え方が変わります。
上昇トレンド発生時は、上値抵抗線(上弦)に戻ってきた時は押し目買いポイント、下落トレンド時は、下値抵抗線(下弦)、もしくは中央ライン(移動平均線)に戻ってきた時は戻り売りうポイントとみる判断方法です。
※外側のバンド(2σ)ではなく、内側のバンド(1σ)を基準に考えると良いです。
順張り手法が成功しやすいのは相場が大きく動く時やトレンドがはっきりしている時、失敗しやすいのはレンジ相場や値動きの少ない相場の時です。
ボリンジャーバンドは統計学に基づいて「売られすぎ」「買われすぎ」を測る指標として使われることが有名ですが、
これから説明するエントリーや利確ポイントのタイミングを判断する指標としての方が使いやすいかもしれません。
トレンド相場→順張りトレード
と2つの使い方があると覚えておきましょう。
ボリンジャーバンドは3パターンを覚えればOK
TradingViewをはじめ多くのチャートツールでも使える「ボリンジャーバンド」には、スクイーズ→エクスパンション→バンドウォークという基本的な3つの動きパターンで推移するという特徴があります。
スクイーズ
スクイーズというのは、英語で押しつぶすという意味で、ボリンジャーバンドがギュッと押しつぶされた状態を表しています。
値動きが非常に小さくなるので、トレードするには難しい局面と判断することができます。
スクイーズの状態が長く続けば続くほど、次のトレンドへのエネルギーが溜まり爆発力が生まれます。
エクスパンション
エクスパンションはスクイーズの後によく見られる状態で、バンドの両端が大きく開くことを意味します。
相場のトレンドが一気に動くためトレードチャンスといえる状態です。
一方向のみへのバンドの開きが起きている状態ではエクスパンションとは言わず、上下両端のバンドが開いているという状態が重要です。
片方のバンドしか開いていない時よりも、両端に開きがあるエクスパンションの状態の方が、トレンドが安定していると見ることが出来ます。
バンドウォーク
エクスパンションの後、開いたボリンジャーバンドの片側の縁に沿ってチャートが推移する状態をバンドウォークといいます。
時間足の上位足(日足など)でバンドウォークが起きているとき、その下位足(1時間足や5分足)では、トレンドがはっきりしているのでトレードしやすい相場になっていることが多いです。
また、エクスパンションがなくとも、チャートがバンド上をダラダラと一方向に推移する状態もバンドウォークになります。
ダラダラ状態のときはトレンドが安定していないのでトレードの難易度が高いといえます。
初心者は、日足でエクスパンションからのバンドウォークが起きているときにそのトレンドに沿ってトレードするといいと思います。
トレンド相場→エクスパンション・バンドウォーク→順張り
と覚えておきましょう。
ボリンジャーバンドで利確ポイントを判断
ボリンジャーバンドの状態からビットコイン相場をみることで、
「このトレンドはまだ続くのか?」というトレンドの持続力を見ることができます。
トレンド転換の兆しが出たときがエントリーポイントと利確ポイントとなります。
ボリンジャーバンドのエントリーポイント例
上の例のように、ミドルバンドに反発したのを確認したポイントでロングでエントリーしたとします。
その後、値の動きとは逆の下弦が開いてエクスパンションしたことで、上昇トレンドが強まったことがわかります。
こうなるとエクスパンションで開いたバンドが閉じる方向に動きだすまでは安定して上昇トレンドが続くと予想できるので安心してポジションを持っていることができますね。
ボリンジャーバンドの利確ポイント例
開いたバンドの値動きとは反対の下弦が閉じる方向に動きだすときが第一決済ポイントと判断できます。
その後、値動き側のバンド(上弦)もが狭まってきたところが第二利確ポイントとなります。
第一決済ポイントでポジションの半分を決済し、第二利確ポイントで残りのポジションを決済して手仕舞うという風に、
指標を利用して機械的にポジションを利確・もしくは損切りしていくことがトレードで勝つ重要なポイントです。
ボリンジャーバンドの表示方法
ボリンジャーバンドのインジ名はBB
Tradingviewのトレード画面に表示されているチャートのグラフマーク「インジケーター&ストラテジー」をクリックしましょう。
検索窓に「bb」もしくは「ボリン」とか入力するとボリンジャーバンドが出てくるので「ボリンジャーバンド」を選択しましょう。
ボリンジャーバンドの線幅を調節
ボリンジャーバンドがチャートに追加されますが、ツールによってはデフォルトだとなぜか上弦バンドの線が太い場合があるのでそういう場合は同じ太さに揃えましょう。
以下の画像のようにインジケーター名「BB」というところをクリックして歯車アイコンもしくは「フォーマット」を選択。
「スタイル」で線の太さを揃えます。細目に揃えると見やすいです。
線が細くなりました。
ボリンジャーバンドの期間を複数設定
インジ名の横にある歯車アイコンから「パラメーター」の標準偏差(σ)の値を変更することで複数のバンド幅を表示できます。1σと2σなど、2~3つ表示させたい場合は同じ手順でボリンジャーバンドをもう一つ表示し同じように設定を変更して二つのボリンジャーバンドを表示します。
二つのボリンジャーバンドを表示することができました。
1σと2σ、2σと3σどちらを表示するかですが、その時のチャートのボラティリティによって機能している方を選べばいいと思います。
設定を保存する
設定を保存したい場合は以下の画像のように「フォーマット」から「Save as default」をクリックします。
ボリンジャーバンドの削除方法
間違えた場合や不要になった時は、チャートの以下の部分をクリックします。
項目の一番下に「削除」があるので、クリックするとボリンジャーバンドが消えます。
ボリンジャーバンドのトレード使用例
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
- 騙し上げがどの程度起こっているのか。
- ちゃんと下弦で反発しているのでまだレンジ相場だということ。
- 売り注文の指値を並べるなら上弦の辺り。
ロウソク足だけを表示しているときよりも、より多くの情報が得られることがわかると思います。
しかも、ロウソク足だけのチャート(上の画像)は五分後くらいにスクリーンショットをとったものなんですが、移動平均線に弾かれて下がりかけていますね。
ボリンジャーバンドの下弦あたりをうろつくのか、やはりレンジ相場なのか、バンド付近の動きを見極めるのがポイントですね。
ボリンジャーバンドとRSIは相性がいい
また、ボリンジャーバンドの信頼性をさらに高めるために、オシレーター系指標であるRSIと組み合わせて使うと相性がいいと言われています。
RSIの売買シグナルは以下のようになります。
- 25~20を割り込むと売られ過ぎ→買いシグナル
- 70~80を上に抜けてくると買われ過ぎ→売りシグナル
これに加えボリンジャーバンドのバンド付近のプライスアクションをみて売買判断をしていくことになります。
動画でボリンジャーバンドを解説しました
Youtube動画でボリンジャーバンドの使い方を解説しているので観てください。
ボリンジャーバンド設定の注意点
バンド内に収まる確率は決して高くない
ボリンジャーバンド内に収まる確率を信じ過ぎることは、チャート予想を誤る原因にもなります。
標準偏差の数値は、設定した期間内の移動平均線という限定的な過去のデータを元にしているので、将来のビットコイン価格がボリンジャーバンド内に収まる根拠としては弱いと思います。
ボリンジャーバンドは相場状況により使い方が変わる
レンジ相場で動いている場合は逆張り手法で、バンドの上端を「売りサイン」、下端を「買いサイン」として判断します。
しかし、レンジ相場からブレイクした場合は順張り手法となり、バンドの上端突破を「買いサイン」、下端突破を「売りサイン」と判断します。
ボリンジャーバンドはこのように相場状況により見方が変わるものなので、
トレンド転換とエントリー・利確ポイントとしての指標として使うことがブレなくていいと思います。
ボリンジャーバンド%bの使い方
ボリンジャーバンド%bは、BitMEX(TradingView)で使えるボリンジャーバンドの派生指標です。
マイナスΣを下限(0.0%)~プラスΣを上限(1.0%)の範囲内でローソク足の終値が何%に位置しているかを図ります。
0.0%を下回ると売られ過ぎ・1.0%を上回ると買われ過ぎとなります。
一般のオシレーター系指標と同様にダイバージェンスも機能します。
ボリンジャーバンド幅(ワイズチャート)の使い方
ボリンジャーバンド幅(ワイズチャート)も、BitMEX(TradingView)で使えるボリンジャーバンドの派生指標です。
ボリンジャー分析で大事なバンド幅の変化を正しく見極めるために用意されたオシレーター系です。
ボリンジャーバンドのスクイーズ(収束)、エクスパンション(拡散)、バンドの最大幅(ボージ)の動きの変化をより視覚的に見ることができます。
つまり、バンド幅はボラティリティの大きさを表すものです。
ボリンジャーバンド%b/幅ともに、ボリンジャーバンドと相性抜群のインジケーターであるはずなので、併用することでエントリーポイントを厳選することで最大のパフォーマンスを発揮します。
ボリンジャーバンドのまとめ
ボリンジャーバンドを使ったFXトレード手法について、設定方法やエントリーと利確ポイントを判断する方法をまとめて解説してみましたがいかがでしたか?
ボリンジャーバンドは単に逆張りの指標になるインジというわけではなく、相場のトレンド状況を把握し、エントリーや・決済ポイントの判断にもなる非常に便利な指標ということがわかったと思います。
ボリンジャーバンドの使い方やトレーディングビューでの表示方法とか参考になったよ。
ボリンジャーバンドのように有名なインジは世界中のトレーダーが意識するので基本的に機能します。必ず使えるようになりましょう。
チャートのインジケータの出し方などについては以下の記事で説明しています。
誰もが知っている人気のインジケーターだからこそ、使いこなせば効果的に機能するものなので、是非使いこなして勝利を手にしてください!
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