海外取引所Bybit(バイビット)が、「戦略アラート」という今までより格段に便利なアラート/リマインダーツールをリリースしました。
これによって、モバイルアプリで様々なアプローチから市場の急変を察知できるようになりそうです。ビットコイン相場に張り付いていなくても適切なタイミングでエントリーと決済チャンスを掴むことができます。
戦略アラートには、価格アラート、トレンド追跡、ローカルピボット、市場熱量の4種類の戦略が用意されていましたがちょっと変わりました。今後売買機能との連動が予定されているとのこと。
ということで、Bybitの提供する戦略アラートの使い方をがっつり紹介します。
Bybit戦略アラートで出来ること
従来のアラート機能だと、価格アラートに加え、トレンド追跡、価格急変(ローカルピボット)、市場人気(建玉増減)という全4種類の戦略アラートが利用できました。
今回のアップデートにより、カスタムウィジェット、価格急騰・暴落アラート、未決済建玉アラート、資金調達料アラートが使えるようになりました。
ざっくりと分別すると以下3つの使い方ができます。
カスタムウィジェット
iPhoneなどで新しく実装されたカスタムウィジェット機能を使うことができます。
価格急騰・暴落アラート
5分間以内に価格が1%以上変動した時、アラート通知が届きます。
未決済建玉アラート
未決済建玉が一定期間内に5%以上変動した際アラートが届きます。
資金調達料アラート
決済時間の30分前に、資金調達料に関するアラート通知が届きます。
以下で詳しく説明します。
戦略アラートの作成方法(以前のバージョン)
Bybitの公式スマホアプリの下部メニュー「アラート」をタップし、「配信申請」をタップすると、アラート作成と設定を始めることが出来ます。
契約を選択
現在BTCのみ対応ですが、今後全銘柄に対応するようですを。デフォルトはBTC/USD
追跡指標
追跡指標は以下のオプションから使用できます。
MA…移動平均線の価格を参照。
EMA…指数平滑移動平均線の価格を参照。
未決済建玉…目標数量。選択した時間足(30m / 1H / 4H / 1D)によって異なる。
予測レート…資金調達率を-1~1の間で設定可。
トリガー
「交差」、「上向きに交差」、「下向きに交差」、「直近の高値(安値)に接触」からトリガーを選択できます。
以下に各トリガーの意味を説明します。
交差
最も一般的なアラートです。 基本的には「価格がXを超えたら通知」という意味で使われます。
アラート設定値を交差するとリマインダーが通知します。※交差方向は問わない
下向きに交差/上向きに交差
交差アラートをより具体的にしたバージョンのアラートです。現在価格が設定値を上回るか下回るかを指定できるので便利です。
直近期間中の高値・安値に接触
価格が特定のローソク足(キャンドル)本数範囲内で最高値または最安値に達したとき通知するアラートです。
ロウソク足の本数を選択し、また、最高値/最安値に到達した後の変動値幅を通知設定に組み込むこともできます。 このアラートにより、市場の急速な上昇と下降を短期的に追跡することができます。
目標
MA(単純移動平均線)、EMA(指数平滑移動平均線)で選択できる項目です。
追跡指標とトリガーアクションで選択したオプションに応じて、対応する目標値の結果を選択できます。
値
MA(単純移動平均線)を選択している場合 20・50・200、EMA(指数平滑移動平均線)を選択している場合8・21・34を選択することができます。
一般的に広く使われている値ということですね。
最後に、「作成」をクリックしてアラートの作成を完了します。
戦略アラートテンプレート(以前のバージョン)
アラートテンプレートページに最初にアクセスした時、次の質問が聞かれ、回答に基づいて4つの戦略テンプレートの中からおすすめが表示されます。
- 契約を選択してください
- チャートの確認頻度を選択してください
- 懸念事項を選択してください
- 通常ご利用頂いている指標を選択してください
- 理想的な取引シナリオを選択してください
おすすめされたテンプレートが気に入らなかった場合は、アクティブなアラートの横のタブ「アーカイブされたアラート」内から事前設定された4つの戦略アラートテンプレートを選択することが出来ます。
価格リマインダー
目標価格を入力して、その価格に達した場合通知する最もシンプルなアラートです。
トレンド追跡
下向きに交差または上向きに交差を選択し、単純に50日移動平均線(MA50)および200日移動平均線(MA200)価格ラインのゴールデンクロスとデッドクロスからトレンドを追跡します。
価格急変(ローカルピボット)
一定期間内(初期値は20本のローソク足)の最高値もしくは最安値価格に達してから、指定値幅(初期値は100ドル)上昇・下落した際に通知されます。
市場人気(建玉監視)
上向きに交差・下向きに交差を選択し、出来高の目標数量を入力して、市場の未決済建玉数の増減を追跡します。
戦略アラートを管理する
アラートには「+配信申請」「配信申請済」2つの状態があります。
配信申請済
現在使用中のアラートです。
相場が設定条件を満たした時、プッシュ通知がアプリを通じて携帯に通知されます。
トリガーされたアラートはアクティブのままなので、アーカイブもしくは削除するまで、設定条件が満たされる度に継続的に通知されます。
クリックして編集、左にスワイプしてアラートをアーカイブに移動したりできます。
+配信申請
手動でアーカイブする前のアラートです。
タップしてアラートを再度アクティブにすることができます。
戦略アラートを使った具体的なトレード例(以前)
移動平均線の交差を売買シグナルにする
移動平均線のクロスを売買サインとしてみる場合、トレンドフォローつまり順張りのトレード戦略になります。
「トレンド追跡」から移動平均線(MA)、トリガーは「上向きに交差」または「下向きに交差」を選択しましょう。
一般的に移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスは以下のように見ることができます。
買いシグナル…短期移動平均が長期移動平均を下から上へ交差する(ゴールデンクロス)。
売りシグナル…短期移動平均が長期移動平均を上から下へ交差する(デッドクロス)。
直近高値(安値)からのブレイクアウト戦術
直近のローソク足の最高値・最安値はレジスタンスライン・サポートラインとして機能します。
市場の大きな動きを感知する方法として、その意識されているラインを超えるか・超えないか、というのは重要な指標になります。
戦略テンプレート(もしくはアーカイブされたアラート)から「価格急変(ローカルピボット)」を選択しましょう。
設定範囲でのローソク足高値、安値に接触した時にアラート通知を設定して、チャートの動きに注目してもいいですし、接触してからの跳ね返り・引き戻しの価格差をアラート通知するのも手です。
分かりやすく、レンジを突破した時、つまり直近高値/安値に接触した後にレンジを抜ける方向にアラートを設定すると、トレンドの変化を通知で知ることができると思います。
市場の取引熱量を監視する
未決済建玉(Oi)の数量が増加する時、相場にトレンドが現れる兆候、もしくは大きな価格変動があったことを知ることができます。
追跡指標に「未決済建玉」、トリガーされるアクションに「交差、上向き/下向きの交差」、値に直近のトレンドがあった時の出来高が多い水準値を入力します。
これにより、Bybitで未決済建玉が急増したことを通知で受け取ることができます。
未決済建玉の急増は、価格の上下を判断するのではなく、ボラティリティの増加を知るものです。
チャートパターンや資金調達率など他の指標と合わせることで価格の方向や勢いの強さを予測します。
次々回の資金調達率の増減と組み合わせる
資金調達率(Funding rate)とは、8時間ごとに徴収されるスワップ手数料(金利に相当)です。
この金利がプラス圏かマイナス圏かによって市場のトレンドは影響を受けます。
一般的に、相場がフラットな状態では資金調達率は「+0.1」になっています。
これがマイナス圏になった時は相場が売られすぎと見ることができ、上昇の可能性が高まります。
特定の時間(8時間ごと)にポジションを保有していると手数料の支払い・受け取りがそれぞれロング/ショートを持っている人に発生します。
Funding手数料 | -0.375% ≦ -0.001% 0.001% ≦ 0.375% |
---|---|
発生タイミング | 8時間ごと(Bybit 1/9/17時、BitMEX 5/13/21時) |
ロング側 | ショート側 | |
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資金調達率が+ | 支払う | 貰える |
資金調達率が- | 貰える | 支払う |
Bybitでの資金調達発生タイミングは、日本時間「1時、9時、17時」です。
追跡指標に「予測レート」、トリガーは「下向きの交差」、値は「̠-1」に設定することでロングタイミングを見逃しにくくなると思います。
資金調達率の仕組みとトレードの利用法は以下の記事に書いているので読んでみてください。
この資金調達率がマイナス圏になっているときに、移動平均線のゴールデンクロス、価格急変(ローカルピボット)が高値ブレイクアウトなど重なれば強い買いサインと見ることができます。
戦略アラートのまとめ
Bybit(バイビット)の戦略アラート機能の使い方解説とトレードへの利用法を考察してみました。
価格アラートだけでなく、移動平均線のゴールデンクロスやレンジのブレイクアウト、資金調達率の変化、建玉の増加など多くの指標がアラートとしてスマホ一つで設定できることが分かりましたね。
今後発注機能との連動も予定されているということで、指値注文だけでなく指標をトリガーとした売買戦略をとることができるというのはトレードのチャンスが広がることに間違いありません。
Bybitの公式スマホアプリも使いやすく良く出来ているので是非使いこなしてみてくださいね。
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