海外の暗号資産取引所として知られるMEXC(エムイーエックスシー)とBingX(ビンエックス)。
どちらもビットコインなどの現物取引や先物取引に対応していますが、取引手数料や機能、サービスの特徴には違いがあります。
特に先物取引では、取引手数料だけでなく、両建てへの対応や証拠金の管理方法も重要です。
私自身もMEXCとBingXを利用してきましたが、両者にはそれぞれ異なる特徴があると感じています。
この記事では、MEXCとBingXの手数料、取引機能、安全性、使いやすさを比較します。
また、日本居住者が注意すべき規制上の問題についても解説します。
MEXCとBingXの比較一覧
まずは、両取引所の主な違いを確認してみましょう。
| 比較項目 | MEXC | BingX |
|---|---|---|
| 取引所形式 | CEX | CEX |
| 現物取引 | 対応 | 対応 |
| 無期限先物取引 | 対応 | 対応 |
| 現物Maker手数料 | 基本0% | 基本0.10% |
| 現物Taker手数料 | 基本0.05% | 基本0.10% |
| 先物Maker手数料 | 基準例0.01% | 基本0.02% |
| 先物Taker手数料 | 基準例0.04% | 基本0.05% |
| ロング・ショート両建て | 対応 | 対応 |
| クロスマージン | 対応 | 対応 |
| 分離マージン | 対応 | 対応 |
| コピートレード | 対応 | 対応 |
| 日本円の銀行振込入金 | 非対応 | 非対応 |
※2026年10月時点の公開情報を参考にした比較です。手数料は取引ペア、地域、VIPランク、キャンペーンなどによって異なります。
両者の違いとして注目したいのは、取引手数料と提供されている取引機能です。
MEXCは手数料面に特徴があり、BingXはコピートレードや各種取引ツールなど、幅広い機能を提供しています。
ただし、手数料が安いことだけで取引所を選ぶのは適切ではありません。
安全性や利用条件も含めて比較する必要があります。
① MEXCとBingXの現物取引手数料を比較
まずは現物取引の手数料です。
現物取引では、ビットコインなどの暗号資産を実際に購入・売却します。
手数料は主にMakerとTakerに分かれています。
Makerは注文板に流動性を追加する注文、Takerは既存の注文と即座に約定する注文です。

現物取引手数料の比較
| 取引所 | Maker | Taker |
|---|---|---|
| MEXC | 0% | 0.05% |
| BingX | 0.10% | 0.10% |
MEXCの基本手数料は、Makerが0%、Takerが0.05%です。
一方、BingXの基本手数料はMaker・Takerともに0.10%となっています。
例えば、10,000 USDT相当のビットコインをTaker注文で購入した場合、手数料は次のようになります。
| 取引所 | 取引金額 | 手数料 |
|---|---|---|
| MEXC | 10,000 USDT | 5 USDT |
| BingX | 10,000 USDT | 10 USDT |
この条件では、MEXCの手数料はBingXの半分です。
ただし、実際の取引コストにはスプレッドやスリッページも影響します。
また、両取引所とも手数料体系が変更される場合があります。
現物取引では、基本手数料の比較上、MEXCに優位性があります。
② MEXCとBingXの先物取引手数料を比較
次に、無期限先物取引の手数料を比較します。
先物取引ではレバレッジを利用できるため、現物取引以上に手数料の管理が重要になります。
先物取引手数料の比較
| 取引所 | Maker | Taker |
|---|---|---|
| MEXC | 0.01% | 0.04% |
| BingX | 0.02% | 0.05% |
上記は比較のための基準例です。
MEXCでは、2026年10月に一部地域・銘柄の先物手数料が変更されています。
例えばBTCUSDTについて、対象地域のユーザーにMaker 0.01%、Taker 0.04%を適用する案内が公表されています。
一方、別の地域やキャンペーンではMaker 0%、Taker 0.02%などが適用される場合もあります。
そのため、MEXCの先物手数料は、必ず取引画面に表示される実際の料率を確認してください。
10,000 USDTの先物取引をした場合
基準例のTaker手数料を使用して計算します。
| 取引所 | 新規注文 | 決済注文 | 往復手数料 |
|---|---|---|---|
| MEXC | 4 USDT | 4 USDT | 8 USDT |
| BingX | 5 USDT | 5 USDT | 10 USDT |
※新規注文と決済注文の約定代金がともに10,000 USDTで、両方ともTaker注文の場合。Fundingやスリッページは含みません。
この条件では、MEXCの往復手数料が2 USDT安くなります。
取引回数が増えるほど、この差は積み重なります。
ただし、先物取引ではFundingによる支払いも発生する可能性があります。
長期間ポジションを保有する場合は、取引手数料だけでなくFundingも確認しましょう。
③ ロング・ショートの両建て機能を比較
MEXCとBingXは、どちらも先物取引のヘッジモードに対応しています。
ヘッジモードとは、同じ銘柄についてロングとショートを別々に保有できる仕組みです。

例えば、ビットコインの先物で1BTCのロングポジションを保有しながら、0.5BTCのショートポジションを建てることができます。
この場合、価格変動に対する実質的な方向性のエクスポージャーを小さくできます。
両建て機能の比較
| 項目 | MEXC | BingX |
|---|---|---|
| ヘッジモード | 対応 | 対応 |
| ワンウェイモード | 対応 | 対応 |
| 同一銘柄の両建て | 可能 | 可能 |
| クロスマージン | 対応 | 対応 |
| 分離マージン | 対応 | 対応 |
BingXには、同じ方向の複数ポジションを個別に管理できる「Separate Isolated Margin Mode」という機能もあります。
これは注文ごとにポジションを分け、利益確定や損切りを個別に設定できる仕組みです。


一方、MEXCでもヘッジモードと証拠金モードを組み合わせたポジション管理ができます。

両建てを利用する場合、どちらも基本的な機能を備えています。
ただし、両建てによって損失が完全に防げるわけではありません。
取引手数料やFunding、清算リスクなどは残ります。
④ 取引画面と使いやすさを比較
MEXCとBingXは、どちらもブラウザやスマートフォンアプリから取引できます。
基本的な注文方法も共通しています。
指値注文、成行注文、損切り注文など、一般的なトレードに必要な機能が用意されています。
MEXCの特徴
MEXCは、現物取引と先物取引を中心に利用する人にとって、必要な機能を確認しやすい構成です。
取扱銘柄が多いことも特徴ですが、銘柄によって流動性や価格変動の大きさが異なります。
特に新規上場銘柄を取引する場合は、スプレッドや注文板の厚さを確認する必要があります。

BingXの特徴
BingXは、通常の現物・先物取引に加えて、コピートレードやグリッド取引など、さまざまな機能を提供しています。
コピートレードは、他のトレーダーの取引を参考にして売買を自動的に複製する仕組みです。
ただし、優れた過去の運用成績が将来の利益を保証するわけではありません。
コピー元のトレーダーが大きな損失を出す可能性もあります。
そのため、コピートレードは初心者でも簡単に利益を得られる仕組みではないことを理解しておきましょう。
シンプルな裁量取引を中心に考えるか、複数の取引ツールを活用したいかによって、評価は変わります。
⑤ MEXCとBingXの安全性を比較
暗号資産取引所を選ぶ際に、手数料以上に重要なのが安全性です。
MEXCとBingXは、どちらも中央集権型取引所です。
利用者が取引所に暗号資産を預ける仕組みであるため、取引所の管理体制や信用リスクを考慮する必要があります。
中央集権型取引所の主なリスク
① ハッキングによる資産流出
取引所のシステムや関連サービスが攻撃を受ける可能性があります。
② 出金停止・出金制限
システム障害や運営上の問題などによって、資産を引き出せなくなる場合があります。
③ 取引所の経営リスク
取引所の財務状況が悪化した場合、利用者の資産にも影響が及ぶ可能性があります。
④ 規制によるサービス変更
各国の規制によって、利用可能な機能や対象地域が変更されることがあります。
取引所の安全性を評価する場合は、準備金の開示状況、セキュリティ対策、運営体制などを確認することが重要です。
ただし、準備金の証明が公開されていても、それだけで取引所全体の財務健全性が保証されるわけではありません。
また、MEXCとBingXのどちらが絶対に安全であると断定することもできません。
長期保有するビットコインについては、取引所に預けたままにするのではなく、自己管理型ウォレットによる保管も選択肢になります。
⑥ 日本居住者が注意したい規制の問題
MEXCとBingXを比較するうえで、日本居住者が確認しておきたいのが金融規制です。
日本では、暗号資産交換業や暗号資産関連デリバティブ取引について、サービス内容に応じた登録制度が設けられています。
金融庁は2024年11月、MEXC Globalに対して、無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告を公表しました。
さらに2025年6月には、MEXC Trading Platformについて、無登録で金融商品取引業を行っていたとして警告しています。
これらは日本居住者を対象としたサービス提供に関する重要な情報です。
一方、BingXについても、日本国内の登録済み事業者と同じ法的保護が受けられると考えるべきではありません。
日本居住者向けのサービス提供条件や登録状況については、最新の金融庁の公表情報を確認する必要があります。
海外取引所にアクセスできることと、日本国内で登録を受けていることは同じではありません。
手数料や機能だけでなく、居住地域における法的な利用条件も確認することが重要です。
⑦ 結局、MEXCとBingXはどちらがいい?
ここまで比較してきた内容を整理します。
MEXCの特徴
MEXCは、現物取引と先物取引の手数料面に特徴があります。
特に、Maker注文を中心に取引する場合は、手数料の低い銘柄や条件を利用できる可能性があります。
また、多くの暗号資産を取り扱っているため、さまざまな銘柄の取引に興味がある人が比較検討する対象になります。
ただし、銘柄数が多いことは安全性の高さを意味しません。
流動性が低い銘柄や価格変動の大きい銘柄には注意が必要です。
BingXの特徴
BingXは、コピートレードやグリッド取引など、取引機能の幅広さが特徴です。
また、ヘッジモードや個別ポジション管理など、先物取引の機能も提供しています。
一方、基本手数料を比較すると、MEXCより高くなるケースがあります。
コピートレードや自動売買についても、利用することで利益が保証されるわけではありません。
比較結果のまとめ
| 重視するポイント | 比較結果 |
|---|---|
| 現物取引の基本手数料 | MEXCが低い |
| 先物取引の基本手数料 | MEXCが低いケースが多い |
| ロング・ショート両建て | 両方対応 |
| コピートレード | 両方対応 |
| 個別ポジション管理 | BingXに特徴的な機能がある |
| 取引所の安全性 | 単純な優劣は判断できない |
| 日本国内の登録状況 | 最新情報の確認が必要 |
取引手数料を重視する場合はMEXC、コピートレードやポジション管理機能を重視する場合はBingXの仕様が比較対象になるでしょう。
ただし、日本居住者の場合は、各サービスの提供条件や規制上の問題を確認することが前提となります。
まとめ|MEXCとBingXは取引スタイルによって評価が変わる
今回は、MEXCとBingXの違いを比較しました。
両取引所とも現物取引と先物取引に対応しており、ロングとショートの両建ても可能です。
主な違いは、手数料体系と取引機能にあります。
MEXCは、基本手数料が低く設定されている銘柄や取引条件があることが特徴です。
一方、BingXはコピートレードや個別ポジション管理など、複数の取引機能を提供しています。
ただし、手数料が低いからといって、必ずしも取引コスト全体が安くなるとは限りません。
スプレッド、スリッページ、Fundingなども考慮する必要があります。
また、どちらも中央集権型取引所であり、資産の保管リスクや規制上の問題が存在します。
取引所を比較する際は、手数料だけでなく、安全性、取引機能、法的な利用条件を総合的に確認することが重要です。
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※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに作成しています。手数料や取引条件は変更される場合があります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の海外取引所への登録や暗号資産デリバティブ取引を勧誘するものではありません。








