多くのビットコインFX取引所のチャートツールは、TradingView(トレーディングビュー)が使われています。
無料なのに多機能で高性能なチャートソフトで、使いこなせば使いこなすだけトレードのポテンシャルを引き出してくれます。
今回は数ある機能のうちの描画ツール「リスクリワードレシオ(Risk reward ratio)」をご紹介したいと思います。
チャート上から、
今のエントリーで利益を出す期待値は実際に高いのか?
ということを客観的に判断するのに大いに役立ちます。
チャート上にリスクリワードレシオを描画する方法、トレードで使う方法を説明します。
リスクリワードレシオとは
リスクリワードレシオとは、トレードの損失額と利益額の比率のことです。
リスク(risk)=損失
リワード(reward)=利益
レシオ(ratio)=比
つまりエントリーした後の、利確までの利益と損切りした分の比ということですね。
リスクリワードレシオが高ければ、勝率が低くても利益が残せる損小利大のトレードとなります。
本来リスクリワードレシオは、特定期間のトレードの結果から損失幅と利益幅の平均値で求めて、その手法に優位性があるか確認するためのものです。
リスクリワードレシオは0以上の数値で示され、利益が出たトレードの平均と負けトレードの平均が同じ数値であれば1となります。
この数値1を境として、超えて高くなれば高くなるほど、トレードの損失よりも利益が大きい状態を示しています。
例えば、ある月のビットコインFXトレードを分析すると、利確できた1トレードあたりの平均の利益額が10ドル分でした。一方、1トレードあたりの平均の損切り額は20ドル分でした。
この場合、リスクリワードレシオは10割る20で「0.5」ということになります。
損益の色分けでリスクリワード・レシオを算出
BitMEXのチャートツールであるトレーディングビューを使えば、1回のトレードにおけるリスクリワードレシオを、リスクとリワードを赤と緑のゾーンに区切り、リスクリワードレシオ(損益比率)を自動で算出することができます。
簡単な操作でより良いトレードプランを立てられます。
リスクリワード・レシオを意識すると
- どれだけ負けてもいいか
- どれくらい儲けたいのか
の二つを考えてトレードすることができます。
つまり、リスクリワードレシオの上端と下端をそれぞれ損切りポイント・利確ポイントとあらかじめ決めるということです。
FXを始めたばかりはちょっとチャートが動いているのを見ると、見逃すのがもったいなく思ってポジションを常に持っていたくなるというのが初心者の陥る落とし穴です。
損益分岐点を意識することでより無駄のないトレードをする心構えが出来るのが大きなメリットです。
TradingViewでリスクリワードレシオを描画する方法
bybitのチャートツールでもあるトレーディングビュー(TradingView)を使ってリスクリワードレシオを描画する方法を説明します。
①例として、XBT/USD日足チャートを参考にロング(買い)でエントリーするとします。
②サイドバーにある描画ツールの以下の画像のアイコンをクリックします。
買い注文の場合は「ロングポジション」、売り注文の場合は「ショートポジション」を左クリックします。(ここではロングしようとしているので「ロングポジション」を選択)
③チャート上の描画したいポイントでクリックします。間違えた場合はやり直ししましょう。
④リスクリワードレシオが表示されるので、リスクリワードレシオをクリックしメニューが表示されたら「設定」をクリック。
⑤座標をクリックし、価格を入力します。
今回の例では、エントリー価格を3600ドルに、逆指値価格(損切り)を3200ドルに、利益幅価格を4000ドルにします。
これでチャート上にリスクリワードレシオを描画することができます。
⑥リスクリワードレシオ結果の見方
今回の例では損切りが400pipsに対して、利益幅は800pipsなので、このトレードのリスクリワードレシオは1:2、つまり「2」になります。
この値を調整することで、その時のトレードのシュミレーションが劇的にしやすくなりますよ。
エントリー前にリスクリワードレシオを使おう
エントリーポイント、利益確定、損切りの水準を設定すると、それぞれ、買いでポジションを持った場合、売りでポジションを持った場合のリスクリワードレシオを客観的に可視化することが出来ます。
エントリーする前にリスクリワードレシオを使って、どのくらいの損益比率になるのかチェックするようにすると、勢いに任せた効率の悪いエントリーを避けることができます。
ここでどれ位の値幅を期待して、どれ位の損失の可能性があるのかを冷静に判断するのがリスク・リワード・レシオを考える第一歩です。
エントリーしたら逆指値注文と利食い注文も同時に出しておくといいと思います。
損益分岐点と破産確率を意識するトレードを
ビットコインなどFXの利益はリスクリワードレシオと勝率で決まります。
リスクリワードレシオが低くても、勝率が高ければ利益を上げることができますし、リスクリワードレシオが高ければ、勝率が多少低くても利益を上げることができるという感じです。
リスクリワードレシオと勝率には一般的に反比例の関係性があります。
次の表は損益比率と勝率を掛け合わせて利益率を計算しています。
青色が利益が出る組み合わせ、赤色は損失が出る組み合わせとなり、0%となっている水準が損益分岐点となります。
例えば、リスクリワードレシオが0.5であれば、勝率67%が損益分岐点となり、リスクリワードレシオが1.5であれば、勝率40%が損益分岐点となります。
つまり、リスクリワードレシオが0.5の場合は勝率67%を超えれば、リスクリワードレシオが1.5の場合は勝率40%を超えれば利益が出る計算となります。
うまく利益を上げることができていない方は、まずは自分のトレードの質をチェックし、リスクリワードレシオや勝率がどのくらいか把握しましょう。
リスクリワードレシオを上げる一番の方法は、損切りや利益確定ポイントの見直しなどです。
損益比率が悪いトレードは見送る、チャンスを待つということが損益分岐点(ブレイクイーブンポイント)を超えることに繋がります。
また、バルサラの破産確率表というのも参考になります。
バルサラの破産確率表は縦軸が勝率、横軸が損益率になっていますが、リスクリワードレシオが1.6ならば勝率50%でも破産する確率はわずか5.1%にとどまるということがわかるんですね。
まとめ
リスクリワード・レシオをTradingView(BitMEXのチャートツール)で描画しトレードに活かす方法をまとめてみましたがいかがでしたか?
ボリンジャーバンドや移動平均線など目標値や損切りの値は人それぞれ。
ただし毎回変更するのではなく、自分のトレードの軸となる一定のルールを決めた方がいいと思います。
リスクばかり大きくリターンが少ないトレードに手を出さないように、エントリーする前にリスクリワードレシオを確認、もしくは頭の中で計算する癖をつけましょう。
リスクリワードレシオと勝率から自分のトレードの質をチェックし、安定したトレード手法を身に着けていきましょう。
是非BitMEXなどFXトレードで使ってみてくださいね。
ちなみに、リスクリワードレシオと合わせてレバレッジの調整方法をよく理解しておくとトレードの幅が広がるので是非合わせて読んでみてください。
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